中3以来にFF6をやったら記憶よりずっと面白かったという話 (改稿)

 

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※以前書いたページをある程度整えなおしたものです。

 

 

 

FF6ピクセルリマスター(Steam版)をクリアしました。

 

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FF6は筆者が小学生の頃に出会ったゲームソフト(FF9とほぼ同時期くらいに遊んでいたと思う)。記憶に深く残る作品であれど、自分の中での好きさで言うとまあぼちぼちかな〜などと思っていたのですが、改めてやってみると記憶よりもずっと楽しかった。想像よりも盛り上がってしまったのです。

 

そもそも最後にクリアしたのっていつだったっけ?と記憶を辿ってみると、確か中学卒業の直前くらいに中古のPS版で遊んでみたのが最後だったはず。えっ? 当然のようにFF6のサントラ楽曲を聴いてたりネットの話題とかに触れているからか勘違いしていたけど、もう10余年以上ケフカと戦っていなかったのだ。結構衝撃の事実。

 

 

そんな中3以来ずっとこびれついていた私のFF6へのイメージというと

「天野と植松とケフカがすべてのゲーム」

 

グラフィックと音楽は一切文句なし。攻略本の天野絵やケフカというキャラクターは間違いなく小学生の私に絶大なインパクトを及ぼした存在。

だが、ゲームとしてはかなり詰めが甘かったという印象。終盤の雑な調整、あまり出来がいいとは思えないバトルシステム、シナリオも良いところもあるもののツッコミどころ満載。……ゲームとしてはなんだか「名作」とは呼びづらい、言うならば世界観・雰囲気ゲー。記憶の中のFF6はそんな印象でした。

 

 

──では、もう一度あの雪原から歩いてみましょう。

 

 


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アートギャラリーより。名画しかないのである。

 

 

 

 

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FF6 introduction - YouTube

・オープニング:いや最高だろ。

 

このカットだけでああ、FF6が始まる……って感じですね。

映画のようなどという評価は再三言われてきているが、具体的には何っぽいのだろうか。植松は音楽について「ヨーロッパ映画で流れるようなものをずっと目指していた」と言っていたが(スターウォーズちゃんと見たことないな……)。ロマン味に満ちた名曲だ。

「“王道RPG” とか言う時ってだいたい初期のFFやDQが意識されているが、そもそもそれらの作品は王道RPGなんか目指してなかったしもっと革新的な意識で作っていただろう」 といったことを、このオープニングだけでも改めて思わされたりも。

 

 

 

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・やっぱりFF6は何だかアーティスティック


先のオープニングで始まり、雪国と言っても炭鉱風なデザインで空気の汚れまで想起させるようなビジュアル、そこに馴染む鬱蒼としたジャジーな音楽。いかにも天野喜孝の世界といったような幻獣やモンスター。そして極色彩の妖しい道化みたいなケフカの登場。歪んだくるみ割り人形のようなあの曲が流れる。

 


Final Fantasy VI - Kefka (Orchestral Remix) - YouTube

ピクセルリマスターのこの曲のアレンジ、バッチシだった。宿命的に批判の声ばかりが強くなりがちだけど良い曲は本当に良いんですよPR版アレンジ。5と6は全楽曲アレンジ自体がようやくだったし。

 

開始1時間足らずで「芸術か?」と思ってしまうようなドット世界。暗いアートのような雰囲気が作品全体に充満している。今更言うまでもないがFF6こそ初代と並ぶ「天野喜孝ワールドをそのまま舞台にしたようなFF」でもあっただろう(天野御大の気持ちが最もFFに向いていた時の作品でもあったはず)。

 

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天野絵の無駄遣いみたいな魅力があるコロシアムのテュポーン大先生

 

 

 

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・ツッコミどころを誤魔化しもしない脅威のシナリオ

 

ありえない勢いで広まっているけど一部の人間には全然効いていない猛毒。単なるガラス玉(マッシュ談)を頭に被って大海を横断するシーン。いや「世界崩壊で水面が上昇したことにより、海底の蛇の道が陸地になった」とか「うん……うん……?」ってなる話も。

昔のゲームはそういうもんだとは言われるが、いやFF5や4でもファンタジーながらもうちょっと文脈がしっかりしていた気がしないか。まして初代ロマサガはすこぶるキッチリしていたわけだし。FF6はなんかもうとにかく勢いで振り切ってる。

 

 

 

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・やたらと “黒い” シナリオの数々

 

上は野生児ガウを獣ヶ原に棄ててしまった彼の父親の話。その他のメインキャラクターも、やれ兵士50人を瞬殺したと言われる魔導少女、やれヤバそうな薬師と組んで元恋人の遺体を保存している男、やれいろんな罪の意識に囚われたまま最後の最後に自殺するアサシン、極めつけはあろうことか世界を破壊した仇敵を崇めるカルト教団の列に参列している爺さん……

「16人全員が主人公」と謳うその主人公たちでこの内容である。今だったらほぼNGだろというくらいに淀んだ物語たちがナチュラルに並んでいる。ていうかFF6がリメイクされないのって大体この辺を扱えないからなんじゃ……


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例えばFF7に見られる自己愛と裏返しな倒錯性とも、メガテン的な世紀末志向とも毛色の違う……「オルステッド性悪説とアート志向がオカルト悪趣味を地点に融合しちゃった」みたいな黒さ。

1994年はオウムの事件の前年だし、FF6自体がその手のオカルト悪ノリが最大まで高まって破裂する直前の作品だったのかなあとも。

 

 

 

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・『魔法』と『固有アビリティ』の競り合い自体がラグナロックイベントだったんじゃないか

 

魔石を用いてほぼ全員が魔法を習得でき、更にレベルアップ時のステータス補正もつく本作品のバトルシステム。

おかげで「単に全員でアルテマ打っていればOK」などと皮肉られたり、「レベルアップ前の装着管理がめんどくさい」とか言われがちな作品でもあった。筆者としてもキャラクター全員が同じことをやっているようなバトルにはしたくなかったので、今回のプレイでは意図的に魔法の習得や装備する魔石を縛ることに。

フィガロ兄弟やカイエン、シャドウなどの攻撃スキル持ちキャラは前線系ステータスアップを持つ魔石のみ。ロックやセッツァー辺りなら「ラ系魔法」辺りまで。モグやガウも固有能力を駆使することを目指して魔法は微回復系オンリーに。結局フェニックスクラスの魔石・魔法を手にするのはティナ、セリス、リルムの3魔女だけ。アルテマはとうとうティナ一人だ。


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これが結構「本来はこのバランスを想定していたんじゃないか?」という丁度よさ。当然、機械系のボスに一斉にサンダラをぶっぱなしたりとかできないし、不意に回復班が倒された時にエクスポーション切ろうかと迷ったりも(結局余るんだけどね)。

 

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そういえば、FF6には「最強の武器を選ぶか、魔法を選ぶか」というラグナロックのイベントがあるが、実は魔石システム自体が「ステータス強化を選ぶか、全員魔法集団を選ぶか」という選択こそが本質だったのではなかろうか。いやもうそれでええよバランス的に。

ちなみにストラゴスは「青魔法あるし予備程度でええやろ」とあまり覚えさせなかった結果、コストが高いだけの使いづらい魔導師になった。じいさん……

 

 

 

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・ちょっと低めのレベルで挑むFF6のボスたち

 

もう一つFF6でとかく言われることが、「敵が弱い」。だからこそ魔石制限を課したりなどして進めていたのだが、意外なことに後半は結構追い詰められることもまずまず。というか順当に進めているはずが記憶よりも味方キャラたちのレベルが低いのだ。

魔大陸突入あたりでレベル20弱、フェニックスの洞窟で30前後、そしてラストバトル直前で37,8くらいだったか。

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うーん低レベルやり込み勢と比較されても困るが、かつて自分がプレイしていた記憶よりは10以上は低いはず。マッシュも全然必殺技覚えないし。このレベルだともうラスダン辺りはわりと一撃死覚悟だった。

 

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そんな感じで各ボス達と戦っていると世界崩壊後は結構個性派揃いなボスが多かったんだなと気付いたりも。復活するパーツを持っている奴、カウンターで属性全体攻撃してくる奴や、いきなりエンカウントして即死魔法を連発してくる死竜、セーブポイントのないダンジョンの最奥で確定アルテマしてくる究極の初見殺し教祖……。あの前作FF5と比しても劣らない個性満載な敵たちだったのかもしれない。多分。

 

 


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ケフカという誰かの神様

 

群像劇で語られるFF6において、その群像すべての悪敵として立ちはだかる最悪の魔術師・ケフカ。邪心と破壊欲の権化。FFのオールスターゲーム作『DFFoo』では、歴代敵キャラの中でも唯一の「共闘のしようがないのでシナリオ上追放」を下されたとかいうFF史最大のヒール。

遥か小学生の頃にプレイした時から、私はケフカが大好きだった。何故?と言われても「素敵だから」としか答えようがない。小さなドットの中でもカラフルでよく動くうえに独自の笑い声までついている男が、度々現れては鮮烈に立ち回り、ついにはラスボスにまで上り詰める。小癪な論理も振りかざさずストレートな衝動のみで悪夢の頂点に座す。子ども心を押さえるには十分二十分だろう。

数多くの子どもたちが漫画やアニメの主人公に思いを馳せるように、ヒーローに憧れるように、私にとってはケフカがヒーローだったのだと思う。別に私が暗い子どもだったわけでもなく、子どもが、いや人が憧れるものとはだいたい「正義」ではなく「力」なのだ。やっぱり暗い子どもだったかもしんないけど。

 

 

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一方で「帝国唯一の良識派」などと言われるレオ将軍のことは子どもながらに嫌いだった。信用ならないと思っていたんじゃないかと思う。目の前の人間には立派ふうなことを口にするけど普通に帝国将軍としてやることはやっている面も描かれてるし。まあ、ルビカンテ共々「殺し合いに対する意識がスポーツ感覚だろ」とか思っていたかな。

 

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今にして見れば、レオは人間的には人格者な分「社会悪の塊だった」と筆者は言うかもしれない。

 

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そんなレオが ケフカという「悪意そのもの」のような男に殺されていく構図は、物語としてハマりまくっていただろう。すべてのまどろっこしさを超えて今ここに悪が君臨する。

 


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崩壊した世界、瓦礫をかき集めた塔の上で、道化が神を気取っている。これはきっと何かの聖書だ。

 

 

世界崩壊イベントまでプレイした後、妙にテンションが上がりすぎた筆者はこの曲を聴きまくっていたという。90年代前半に貫かれたルーツがそこにある。

 


BUCK-TICK - NATIONAL MEDIA BOYS (2015 MIX) HQ MV - YouTube

More Than God

踊れ踊れ  仕組まれたMetoroの夜のBourgeoisie

 

RPGとは本質的にはラスボスの物語」 とは某RPGプロデューサーの言葉。物語は主人公たちの如何など関係なく、ラスボスの台頭で始まりラスボスの崩落で終わる。ケフカ、あなたは今も昔も最高のラスボスキャラクターだった。

 

 

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・世界崩壊

 

ご存知FF6ケフカによる世界崩壊前と後でシナリオが大きく様変わりする。ある意味2つのゲームを1つのソフトにまとめ上げているかのようだ。大地が裂けていく崩壊シーンはプログラマーたちが盛り上がりまくってたんだろうなみたいなダイナミズムと高揚感もある(坂口たちのFF6プレイ会でもそんな話あったような)。

近年、スクエニスタッフが何かのインタビューで「今の時代だとビジュアル面を疎かにできないしボリュームが重くなるので、世界が動くような展開は作りづらい」という旨のことを言っていた。だから今のゲームはどうだなどと言いはしないが、まあ、高水準のグラフィックとダイナミックな世界観の展開どっちかを選べと言われたら断然後者かな。

 

 

 

 

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・『仲間を求めて』


世界崩壊と絶望の淵から始まる物語後半パート。今更も今更な紹介だが、いくらか歳をとってこんな世の中にも生きているとやっぱり思うところもある世界だ。

これからは絶望か希望か、なんて簡単な話かというとそうでもない。むしろここからがFF6の「黒さ」の真骨頂だとも言える。仲間の一人まで加入しているケフカの宗教、闘争の時代が来たと喜ぶコロシアム建設者、苦しい生活のなかで恋人のお腹に子どもが出来たがどうすればいいのか分からず一人で荒れている坊や……。

 

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何故こんなにも救いのない話なのかと記憶に残るガウの父親再会イベント。思えば、崩壊前の物語では安直なまでに「全部帝国のせい」という風に話が進められていた。だが世界が崩壊してからは、さながら人の醜さと逞しさ、不安と祈り、脆さと強さなどが露わになって入り混じる。様々な心模様が綯い交ぜになっていく群像劇。そしてそんな物語を一つに紡ぐように、フィールドに出ればあの曲が流れているのだ。

 


仲間を求めて - YouTube

 

『仲間を求めて』

ガウの父子イベントを終えた後、フィールドで流れ続けるこの曲だけが進むべき “希望” であり、“ガウたちが選んだ答え” であるかのようだった。『仲間』を求めてというワードにも実感がこもる。

曲単体で聴いてばっかりいた頃は「どっちも名曲だけど、ゲーム前半で流れる『ティナのテーマ』の方が好きかな」とか思っていたのだが、改めてゲームをプレイしながら触れてみるとこの曲の存在感に完全に圧倒された。

この頃──少なくともSFC時代くらいのFFは、「物語を音楽が支える」というよりも「音楽が最も物語を訴えている」存在だったと思う。ゲーム内で語りきらなかった時代のゲーム音楽は、BGMであると共に「象徴」の役を担っていたのではないか。

 

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・「ケフカ」に対する「ティナ」

 

世界崩壊前は戦闘兵器として殺戮の道具にされ、そこから抜け出して旅を続けてきたティナ。自分が幻獣と人間との間に生まれてきたその理由や、またそんな自分と他者とを繋ぐという 「愛」と説かれた言葉の意味を探していた少女。そんな彼女は、崩壊後の世界では子どもたちだけが残されたモブリズの村で孤児たちの母代わりをしていた(ディシディアでの護られ姫的扱いは何だったのかと思うほどタフネスだ)。

 

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そして、孤児たちを守ることを通して自分の存在理由を見つけ、未来へと向かっていく。

 

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──群像劇RPGのラスボスがこの世の何もかもへの破壊に飢えたケフカで、それに対置する主人公代表がこのティナだというのは美しい対比のようだったなと改めて頷かされたり。

 

 

 

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・関係ねえ! ファンタジーの冒険だ!

 

物語の始まりを告げる、極北で発見された氷漬けの幻獣。物語終盤になってからバトル〜仲間になる展開も、その際の「この殺気に満ちた世界、(1000年前の)魔大戦がまだ続いているのか?」という台詞も素敵。

近代機械の描写やキャラクタードラマばかりが注目されがちだけどやっぱりやっぱりFF6もまたファンタジー世界の冒険なのだ!

 

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美女の絵画に死霊が取り憑いている屋敷イベント

 

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幻獣たちを囚えた研究所にて廃棄されるイフリートとシヴァ

 

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ドットグラフィックの至宝「魔大陸」

 

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デザインがかなり好きな魔法生物ネラパ。ケフカが生んだ片足バレリーナ

 

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まさに心象の迷宮をゆく夢の中

 

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入り口から最奥の主まで遊び心の塊、ゴゴのダンジョン

 

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筆者のお気に入りスポット。砂漠の深くに沈んでいた1000年前の亡国の城と、石にされたまま城内に遺る幻獣オーディン

 

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古代の王女と幻獣を巡る恋物語と、その顛末。

 

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圧巻の三闘神

 

古代城はモンスターの殆どが魔法耐性を持っていたり、現代以上にハイテクそうな機械兵器も登場したりすることから、1000年前の文明の様子がうっすら見えてくるというのもミソ。RPGのそういう魅せ方が好きです。

 

 

そんなこんなで楽しかったFF6も、終わらせてしまう時です。

 

 

 

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・ああ、やっぱり弱かったよ。

 

結局弱いじゃないか! 鬼神の方がまだ全滅したりしたわ! うーん4連戦だから個々だと弱く感じるのでは?とも思っていたがそういうわけですらないらしい。根本的に弱い。HPも低いし簡単な攻撃くらいしかないから淡々と攻撃と回復をまわしているだけで勝手に沈む。

仮にもシナリオ上は大陸破壊したり幻獣吸収とかやったりしていたのだから相応の能力を持ち合わせておくべきでは……。私がFF6リメイクに携わったら七英雄くらいには強くするから覚えとけよ(携わりません)。

 

 

 

 

 

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・蘇る緑

 

16人の主人公一人一人の見せ場を描く前半部から、後半は緑の復活と 世界中で復興に励む人々の姿、そして新しい命の誕生を描いてこのゲームは幕を閉じる。

最高のエンディングだと思う。最後に満を持して『FINAL FANTASY』が流れるパートで、世界中の人々の姿にシーンを費やしているのが本当に素晴らしい。最後まで物語と音楽は一つのものだった。

 

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「モブ夫婦の間に赤ん坊が生まれるところを描いて終幕」という構成が、後世にこれでもかと流行りちらす「主人公の英雄的な死去エンド」との早すぎた対比のようですらある。そこも含めて思い出すことの多いエンディングだ。

 

 

しかしやっぱりFF6、よくよく考えるとあまり綺麗に纏まらない。

 

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「三闘神とケフカが消えたことで世界から魔法の力がなくなる!」ということで、ティナこそ助かったものの幻獣たちは全て消滅させられている。彼らからすればひたすら人間のとばっちりに振り回され最後は全滅させられたというお話だった。更にFF6には「魔法生物」という魔力を基に生きている生命体たちもいたので、そんな彼らももれなくここで全滅したのだろう。やっぱり最後まで「人間はクソ」だった(魔法がなくなってもマッシュのかめはめ波やセッツァーの謎スロットは使えるのだろうか……)。

そして、ケフカの信仰者たち。まあ一年足らずでカルト過激派集団になってた連中なんて絶対ノリで生きてるという気もするが、彼らのこともまた考えずにはいられない。そもそも崩壊後は人類vsケフカみたいな論調で話が進んでいるが、ケフカを信仰していた連中もまた人間なのである。

まあそんなこんなも最後までFF6らしいし、行間やアフターストーリーに繋がるものとして受け入れられるかなあとも今は思います。

 

 

 

 


ファイナル・ファンタジーXI 記念サイト WE ARE VANA'DIEL | SQUARE ENIX

 

2021年のFF11対談より。河津神から「全力を投入して作る感じが“坂口イズム”だと思う。自分は『ゲームはこうじゃなきゃダメでしょ』というところから入るタイプ。そこが坂口さんとは根本的に違う。坂口さんは『オレがやりたいものを作るんだ』という感じ」という話題。

最近の記事だったこともあってFF6を遊んでいる間もこの話が頭にチラつきながらプレイしていた。FF6はゲームとしての基礎以前に「オレ達のやりたいものを」といったメンタルで構築されている趣がある。それはもう、6以降の殆どのFFに通底していることではなかろうか(一方、そんなことを言ってる河津は “RPG(レーシングポエムゲーム)” などの新ジャンルを生み出していた)。

しかしやっぱり根本的に真逆な2人なんだなあ。この2人が実質の両輪だったからこその旧スクウェアの英華だったのではとも思うが。河津神FF5では「ジョブ使用なし」のテストプレイを、6では「魔石使用なし」のテストプレイをされていたとのこと。2作のやり込みプレイウケに神の見えざる手あり。

 

 

 

そもそも中学を最後にゲーム本体には触れていなかったのに、音楽やイラスト集やプレイ動画だとかにはきっちり触れ続けていて、それで「そこまで好きな作品でもないけど」とか言っていた筆者の姿はさらさらギャグだったかもしれない。ずいぶんオチまで長かったな。

まあ、振り返るとやっぱり全部が素晴らしいとは言いきれないけれども、最後はエンディングを見ながら「このゲームをやってよかった」「子どもの頃に触れておいてよかった」「そして思っていた以上に私はこの作品に毒されて育ったんじゃないか」などと思えたのでした。ありがとう、また会おう、名作。

 


FF6 CM 声入りメインテーマ フルバージョン 【歌】 - YouTube

 

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さて戻ってきて2023年8月。FF16もやったし、久々のプレイステーションでやってないFF作品やっとくか、いやSteam版でクオリティが不安になって放置したFF5ピクセルリマスターをSwitch版でやろうか? などと思うところですが。

え? 6の次は7? 今更FF7を?

 

 

 

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興味ないね。(REMAKEのサントラ盤も開けながら)

 

FF16はむしろゲーム後半部分により力を割いてほしかった。【クリア後感想】

 

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FF16クリアしました。

バトルの自動操作なし。サブイベントは確認した限り全部クリア、リスキーモブ(野生ボス敵たち)はSクラス以外はすべて討伐してのクリアとなります。

 

まず初めに書きたいところとして、公レビューなどでは「ゲーム前半はよかったけど後半が失速気味だった」という評価が多いようですが、筆者の感触では完全に「後半に進むにつれてうなぎ登りに面白くなった作品」でした。

その理由は、「ゲーム前半はシナリオの説明や誘導はしっかりしているが完全に一方通行なつくり」であるのに対して、「後半はシナリオの運びこそ確かに雑だけど、ゲームとしてやれることや世界の隅々までの描写・サイドストーリーがどんどんと増えていく」作品だったから。なのでメインシナリオ一択で最短クリアを目指すタイプの方にはシナリオの粗さが残る構造だったかもしれない。でも、制作スタッフが丹精込めて作ったのは絶対後半部の方だよなという手応えを筆者は本作から感じました。

 

 

いくつかの項目に分けて具体的な感想に移っていきます。

 

※必要最低限にぼかしてますがまあまあネタバレを含みます。

 

 

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・開始から1時間くらい「ムービーの合間にたまにゲーム要素が入っている」状態で進行。「FFの業界的務めやろなあ……」って思わなかったらボロクソ言ってた。

流石に2周目はスキップさせてくれないと嫌すぎる。

 

 


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・通常バトル:まあまあ楽しい。ずっと4人パーティだったらよかったなとも思う。

私はアクションゲームは大して詳しくないが、FF零式や初期のKHよりは楽しかったと思う(フィールドの移動はKHの方が断然自由だけど)。さして不便さを感じることもなくトントンと戦える。敵の行動パターンが掴めてからちまちまHP削るのがたるかったくらいか。

 

主人公クライヴの攻撃技は好きな技を数個選んで戦闘に使用できる。──髙井Dは「FF5のアビリティシステムの楽しさを意識した」みたいなことを言っていた気がするが、FF5のバトルデザインの肝とは『対峙する敵のクセが強いので、アビリティや立ち回りを考えないと大体刃がたたない』ところだ。一方で本FF16は特に使用技を吟味しなくても避けて殴っていれば倒せるので、FF5的かと言われると特にそんな感触ではなかった。「多彩なアビリティを組み合わせられるけど正直そのアビリティを駆使する必要がない」というのはむしろFF7のマテリアシステムだ。楽しさの根っこがパズルゲーと着せ替えゲーくらい違う気もする。

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そんなこんなでプレイを進めていくと、かなり後半になってからは味方のパーティ人数が4人になって画面や戦況がわちゃわちゃしたバトルも増えてきた。1人+αで敵を捌いているより4人いる方が「乱戦になってるけどどうなってんだ〜!?」となったりして楽しかったし、そのわちゃわちゃさの方がFFらしいような感じも受けた。ほぼ4人パーティでもよかったんじゃないか?

 

 

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召喚獣戦:ぶっちぎりで楽しい。今作最大の華。

ストーリーの大きな節目の大ボス戦にあたる召喚獣同士の戦い。操作も専用のコマンドになり、とにかく派手すぎるほど派手なグラフィック、QTEを駆使したムービーとプレイ操作の融合が特徴的。真面目に「どこまでが用意されたムービーでどこまでが今自分が動かしているライブ体験なのか分からなくなる」という現象を味わえる。

この召喚獣戦が間違いなく本作の華。しかし上に書いたようにシナリオありきの大山なので、それを遊べるのはシナリオに沿って展開される大ボスバトルの時だけなのだ。遊びたい時に遊べるバトルではないのが結構歯痒い(演出やシナリオによる臨場感・高揚感が命なので当然ずっとやっていたら醒めるのだろうが)。

 

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宇宙的空間を浮遊したり走ったり遠距離射撃で攻めたり直接殴りにいったりするバハムート戦がもう完成形だというくらいに楽しかった。

 

 

 

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・メインシナリオ:いつものFF。何なら一番新しさがない部分だった。

まず、「本作はダークな物語」みたいなことが各所で流れていた気がするが、想像以上にいつもとやってること同じでとりわけてダークでも何でもないです。じゃあ画面明るくしろ。

 

さてメインシナリオ、体感として「絶望的につまらなかった」とまでは言わないのだが、文章に起こすとやはり大きな指摘から入らずにはいられない。まず本作のメインシナリオは「わざとらしいほどに初期のFFのオマージュだらけだった」件について。

自分の心の闇と戦う展開、戦争兵器にさせられた少女、主人公サイドによる生活資源破壊テロ、回りくどい言動で立ち塞がるラスボス……もうこれだけでも十分だろと言いたいほどだがこんなもんじゃないくらい「過去作のあれじゃん」が厚かましいほどに出てくる。

同スタッフが「FFのテーマパーク」と銘打っているFF14からの流れなのかもしれないが、少なくとも筆者はそこを見て「今回のFFのシナリオ、良いね」とは思えなかった。二次創作かと思うような焼き増しを見せられたとしかならんのだ。


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その上でメインシナリオ部分として良かったと思う部分を上げるなら、ヒロイン・ジルの過去の因縁に決着をつける話と、エンディングでの “あの男” のくだりは良いなと思った。ディオンもキャラクターとして個人的に好き。

逆に特に引っかかった部分は、「生活資源破壊に対するマイナスの描写が露骨に少ない」「ラスボスとの議論が観念論っぽすぎる」「サブシナリオで描かれる各地域の物語をもっと多めに見せてほしかった」「数度の裸シーンは中学生みたいなセンスだなと思った」等々。

 

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今作では戦争や差別などの問題を大きく題材にしている。まず先に触れておきたいのは、 “ファンタジーの中で独自の世界や歴史、情勢、社会問題、生きている人々の姿までを疾走感をもって展開できるのは、やはりファミコンのFF2の頃からそんな作風を続けてきた老舗タイトルだからこその強みでもあるだろう” ということ。あくまで世界規模の動乱を物語全体に置きながらミクロからマクロまでストーリーを展開できる作風はFFならではでもあるだろう。

一方でしかし「テーマに対して勧善懲悪すぎる」「描き方が浅いんじゃないか」といった指摘もあり、筆者もその印象を拭えなかった。昨今では「ゲームなんだから細かいこと気にしなくていいでしょ」なんて言葉がかつてほどには通用しないくらい、そこに繊細な描写を求められることも、それに答えうる在り方を模索したゲーム作品も増えてきたと思う。

では何故FF16はそこに手が届かなかったのか?と思うと、やはり「あまりにスーファミ時代くらいのFFをそのままになぞり過ぎた」からではないか。「今の演出力で昔のFFみたいなことをやりたい」というシナリオ性から生じる時代的ズレが調整されないまま残ってしまったかのようなシナリオまわしがかなり多い。

 

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「ラスボスの答弁が観念論くさい」ところなどはまさにFFの悪習って感じだが、一方の主人公クライヴ側にすら返す言葉が上滑りしている感があった。作中世界に描かれる人々の実態とクライヴが唱える主張にずっとズレを感じていたからだと思う。クライヴは結果的に大陸の生活資源であるマザークリスタルを壊してまわっているのに、それに対する葛藤なり何なりがさっぱり描かれないのだ。FF12で例えれば “ヴァンやバルフレア達からの注意・フォローがないアーシェ殿下” みたいな歪さが最後まで続いていく(「前面に出るのがほぼクライヴ一人なのに、集団旅の過去FFみたいなことを彼一人でやろうとしている」という構造に起因する歪みもあっただろう)。

まあ「植松音楽」というガワを剥いだらFFのシナリオなんて元々そんな感じでしょとも思うが。

 

 

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サブシナリオ:良かったからこそ、こっちをより前面に出すべきだったと思う。

 

筆者が「後半の方が面白いじゃん」と思った最たる要素がここである。

FF16のサブシナリオは「まとまりのない小話の群」ではなく、「各サブキャラクターたちの物語」「村Aのお話。村Bのお話」といったようにまとまっていて、動乱の中でそれぞれの町や人々がどのような歩みをとっていくのかが各々に描かれている。外敵を前に結束する村、新天地で復興を目指す村、過去の因縁に決着をつける者、密教の下に殉ずる者……。

これこそ召喚獣バトル以上に本作で評価したいポイント。最初に見た時には無味乾燥で好きになる要素がないと思っていた町の一つ一つやモブっぽい村人キャラの一人一人が、サブイベントを全て終える頃にはしっかりドラマが仕上がっており愛着が沸いているのである。そしてそれら一つ一つの物語をもって世界全体が動乱を経て変わっていく様が描き上げられている。RPGとして世界を歩き回るからこその醍醐味だし、RPGだからこそ描ける物語の表現だろう。

開発陣がここにこそ力を込めて入念に手がけたはずだというものが確かに伝わってきた。

 

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だからこそ、「もっと早くからいろんな村に行けてより多くのイベントをまわれたら良かったのに」とも強く思わされる。FF16のつくりは完全に『シナリオもバトルも やれることが少ないくらいの段階からこれでもかと説明を重ねられ、終盤にかけて全面展開する』という極度の段取り志向なのだが、個人的な感想としてはいやもっと早い段階で自由に回れた方がよかったよと思う。

本作は何かにつけて説明過多すぎた──というか同じ説明の繰り返しが多すぎた──と思う。序盤から何度も「虐げられる民と露骨な悪意で虐げる民」の構図を見せられ、クライヴらは何度も同じ台詞をキャッチフレーズかのように口にする。正直、もっと描写の変えようとかあったろとも思ったし、「ユーザーへの信用がなさすぎるのではないか」とすら思わされた。

そして私に言わせれば、長いチュートリアルみたいな前半部こそダイジェストばりに削ぎ落としてでも、「5年後」からの物語をより充実させるべきだったんじゃないかと思う。

 

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リスキーモブも序盤からもっと用意してほしかったです。

 

 

 

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・ビジュアル:無駄に暗いし地味すぎる

 

言っちゃなんだが私が無知識でFF16の画を見ても「洋ゲーかぶれみたいな作品やな」としか感じないだろうなと思う。

吉田P自身「初めてFFを見た時は天野喜孝のビジュアルが衝撃的だった」とか言うなら、ビジュアルのインパクトや吸引力・存在感を大事にしてほしかったですが……。というか召喚獣も基本的には過去作そのままなので、「FF16を象徴するアートグラフィックは!?」と言われても「意味のない全裸ですかねぇ……」しか出てこない。辛えわ。

 

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「ほぼ全員モブみたい」と言われるなかでやたらと美人さが際立っていた女医のタルヤさん。

 

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中盤のボス・ネクロフォビア。機敏に動き回るくせに背景の青さと同化して全然見えなくてすっごい頭にきた。

 

 

 

 

・お気に入りなキャラクターたち

FFシリーズの中では結構好みのキャラクターが多い作品だったと思うので、数名だけパパっと上げていきたい。

 

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ジル

今まで触れてきたFFのヒロイン(≠女主人公)で一番好きかなと思います(そもそもFFで好きなヒロインが大していないってのもあるけど)。

クライヴの幼馴染みで、大事件の後シヴァのドミナント召喚獣に変身できる存在)に発現、その後鉄王国に連行され奴隷兵器として使役され続けていたところ、青年期にクライヴと再会する。

きゃぴきゃぴもしてなければカリカリもしていない、堅実で聡明な女。人によっては「地味」と言うかもしれないけれど私からすれば「こういうのでいいんだよこういうので」ってカンジだ。何よりPS以降のFFヒロインにありがちな「私を中心に世界は回ってます」みたいな位置づけではなく、あくまで巨大な戦史のなかに一人こういう女の物語があったというところで纏まっているのが素晴らしい。

本作のシナリオでは彼女が奴隷時代の因縁と戦う部分が一番燃えたかな。

 

 

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ディオン卿

バハムートのドミナント。彼の良さは「バハムートの擬人化として完璧だった」という話に尽きるだろう。最初は最強の象徴っぽく登場するのだが、それを超える何者かに座を奪われ、世界を統べる王家のはずが世界を破壊し、大きな運命に翻弄され沈められ、それでもなおボロボロになっても気品と気高さを失うことなく舞い戻ってくる。

まさに「概念がバハムート」じゃん! 何かと過去作の丸々踏襲(焼き増し)が目についた本作で、「バハムートのこういう話って前にもあったね」ではなく「私らの頭のなかにあるバハムートのイメージ」がそのまま形になったような稀有なキャラだと思う。こういう男は好きです。

 

 

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中盤までの悪役のあの人

あの人です(一応ネタバレ話になるかなと)。気持ちの良い敵役ではないが、最後自ら命を落としたのを見てちょっと思うところもあった。

「自殺じゃなく自分達の手で殺したかった」というユーザー意見も多いのだが、内心は殺してやる暇もないくらいに心の余裕がなかった人なのだろう。何より戦いであればこそ、「殺されるということは自分の意志を全うしたということ」であり「真の敗北とは屈伏や理念の自己崩壊を歴史に刻まれること」だろう。彼女はケフカや皇帝にはなれなかったのだ。そう思うと自分自身すら大切にできなかった “自殺” という結末もまた味があったし、FFシリーズを飾る新たな悪の一角として良い表現だったのではないかとも思う。

 

 

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ガブ

彼の良さは……それは最後までプレイした人のお楽しみ。

最初の頃は「名有りのモブみたいなやつが絡んできた。いつ死ぬかも分からんぞ」と思いながら見ていたが、その後は──(FFでいつ死ぬかも分からないのはヒロインのジルですらそうなんだけどね)。「FF16の真の良さは一見モブみたいな非メインキャラたちの描写や関係の構築にこそある」という面を最も端的に示してくれた男かもしれない。

FF5ネタ多かったし、『親愛なる友へ』、追加実装しませんか?(飲みのイベントでガラフとのシーンをちょっと思い出したり)

 

 

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執意の竜騎士

ただのモブボスじゃねーか! クライヴがディオン卿を唆したと思い込んで殺しにくるモブだったか。なんとなく気になってサーチしてみたら一部ユーザーから「解釈違いを起こしたディオン様の厄介強火担」というキャラで定着していて爆笑した。

いやまあ真面目な話、こういうチラッと出てきただけの奴にユーザー間で妙に伝わるキャラ付けがされていくのもまた醍醐味なんですよね。敵には敵のモブたちのドラマがあった。

 

 

 

 


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まとめ

 

終盤こそとても面白かったが、それだけに前半のバトルくらいしかやることがなかった期間が勿体なかったなと思う。初期感想として「終盤がいらなかった」という意見が多いのもうーんと思うが(繰り返しになるが私から見れば絶対に終盤の方がゲームとして力が入ってるし)。

そして一番厳しい意見になってしまうが、本作の「過剰なほどの段取り志向」や「やたらと目立つ同じ台詞の繰り返し」からは『ユーザーへの信用の薄さ』を、「過去FFの踏襲の多さ」や「淡白すぎるビジュアル」からは『守りの姿勢の強さ』『それこそ “FFらしい”、センスでぶん回してる感の足りなさ』を感じてしまう作品でもあった。FFナンバリングの評価がぐらついているから堅実にとは言われるが、もっとはっちゃけたFFがやりたかったとも思う。

というか「初心者・新参向けの目配せをしまくったFF」が「もう一定のゲーマーしか買わないであろうPS5での単独発売」になっていることが全てのズレの始まりなんじゃないのかという気もするが……

 

 

私の心のゲームの一つ、任天堂の『MOTHER』。かのゲームはファミコン作品にしても「放り投げエンド」と言われかねないくらい唐突なラストを用意しつつも、極僅かな描写とあの『Eight Melodies』をもって「名作」として語り継がれてきた。それについて当作のプロデューサーが語っていた言葉が、「きっと伝わるはずだというユーザーへの信頼」である(流石にあそこまで極端な出し方が現在でも通用するとは言わないが)。

直近のゼルダ ティアキンにしても、膨大な謎解きにもさしてヒントはないし、ビルドに関する文面での説明もほぼないし、いきなり落雷死したりもする。しかしそれを許しているのは「きっとユーザーはどうすればいいか分かってくれるだろう」という信頼と、そこへ導く巧みなサインがあるからだ。そしてユーザーが自分で答えを見つけるからこそ、ゲームをより楽しいと思えるのだろう。

もっと言えば、FC, SFCくらいのFFやスクウェア作品がユーザーに長らく愛され続ける理由も、理解であれ誤解であれユーザーが自由に受け取れる懐の広さがあったからではないか。美醜入り混じるFF6の世界崩壊後、数々のイベントに対し主人公たちは多くを語らないが、『仲間を求めて』というフィールドBGMだけがFF6のテーマを雄弁に語っていた。在りし時代のFFが今でも愛され続ける理由の一つの現れだと思う。

 

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そしてやはり、FFやSaGaには「老いてなお恐ろしい修羅」のような存在であってほしい。出来うる限りトばしていてほしい。まあSaGaは河津がその言葉通りみたいなお方だろうから大丈夫かなと思うが。はっはっはっ。

 

 

そうだ、しばらくすれば細かい設定や不明瞭だった部分まで網羅した攻略本・資料集『アルティマニア』も出版されるはず。ゲーム外で補完させすぎるのもどうかというのはさておき、その手の資料本を目を皿にして読むのも楽しみの一つなので(ゲーム資料集を血眼読んでは謎のメモをとりまくっていたという記憶は 個人的な「忘れたくない童心」の一つの象徴なのだ)、それの発売もまた楽しみにしておきます。

 

FINAL(帰らない) FANTASY(夏の) ULTIMANIA(覚え書き)

 

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岩井俊二監督の2014年の連続ドラマ『なぞの転校生』が期間限定配信されているので観ています。

 

面白ーい!

期間中にぼちぼち見るかーくらいの気持ちでいたけど、ほぼ一気見状態でずっと観てます。連ドラを完走視聴するのなんてマジでいつぶりだ……。

しかし岩井俊二作品はどうしてこうも凄い役者を発掘してくる=それまで発掘されてなかった なんだろう。実際の人間による実写だから絵柄が変わるなんてことあるわけがないのに、典夫(本郷奏多)の顔の印象が物語を追うごとに変わっていってハッとさせられる。

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いや、彼、売れてないとおかしくない?

 

 

映画視聴も長らく気持ちが乗らなかったんだけど、最近ようやくぽちぽちと見始めました。いや巷で話題のとかはさっぱり観てないけど。

 

 

 

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FF16はいよいよもってエンディング直前っぽいところまで来たので、そろそろ感想を書きはじめています。何で感想をいちいちわざわざ書いてるのか? 楽しいからです。

 

書きはじめて早々「やっぱ俺、RPGに触れてる時が最高に楽しいわ!」となり。シナリオがどうだ、キャラクターが何だ、ゲームプレイングはどうなんだ、音楽は、世界観の文脈は、ビジュアルは。それら一つ一つが鍋のなかで混ざりあったようなものを堪能して自分の中で拡散してどうだこうだと言っている。人によって受け取る部分もその角度も丸っきり変わるものを、「俺はこう」「あなたはどう?」ってやってる。その多角さを許す土俵のあるRPGをやっている。やっぱりこれなんだわ。

(解釈バトルかと言うとちょっと違うというか、むしろ解釈バトルが「1を100に広げる作業」だとするならそれは「100の中の1と巡りあい、追いかける作業」のようだと思う)

何よりFFと言えば、「私にとっての最高作はどれどれでそれはこれがこうこうだから」とかずーっと言い合っている終わりなき幻想の戦いでしょう。一つの正解や完成型みたいなものがまるでないし、多分本当は競合自体していない。ただ「RPG」という一点でどれはどうだと言い合っている。荒れると言えば荒れるんだがそんな話題がやっぱりずっと話聞いてられるんだわ。

 

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まあまあ辛口()すれすれみたいな感想になるかとも思いますが、それも含めてFF16を盛大に楽しんでいると受け取っていただけたらと思います。

 

 

 

RPGにのめり込むともうソシャゲも一切触らなくなっちゃうんですが、そろそろ再開しはじめました。

 


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シャイニングニキを。

 

いや無期迷途も新イベントが始まってるのでそろそろ戻らなとは思っているのですが。

あとちょっと気になる新作タイトルをインストールしたけど、どんなもんかは全然分かりません。もしヒットするとこがあれば。

 

 

 

 

しばらく前に菅梓さんが取り上げてたDansa med dig

 

 

 

マジでこれが日本の片隅で埋もれていたのか……? と戦慄した。

こう、決してヴィジュアル系ではまったくないんだけど、でも自分が「V系的な音楽」に求めるものが詰まっているようにも思う。

蒼くシアトリカルで情緒な歌声やメロディライン、整っていて破壊的なサウンド、ドリーミーな空間性、そんなところ。

 

 

 

「夏が酷暑になっていくにつれて所謂『夏ソング』なるものは新譜から消えていって、過去の夏ソングは『まだ今ほど暑くなかった旧い時代の憧憬』になりつつあるんじゃないか」という話を聞いたり。

私のなかで夏ソングのイメージは倉木麻衣の『Feel Fine!です。懐かしすぎるだろ。宇多田より倉木だったし林檎より矢井田瞳でしたね……。

 

まあでも例えばPlastic Treeの『うつせみ』なんかは、どんだけ暑くなっても相応しい情景的な夏の香りなんじゃないかとか思ったり。シューゲイザーの斜光だけが夏を語り継ぐ。あ、新曲『痣花』は最高でした。

 

 

 

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女医タルヤさん、髪黒くすれば竜太朗では……? 挿入歌にサナトリウム歌わせよう。

 

 

 

 

懐かしくなって倉木麻衣の曲を聴いていたら、YouTubeのコメントに「あの頃はサブスクもSNSもないので、新曲がミュージシャンからのお手紙のようで何度も何度も手にとって聴いていた」という言葉があった。

今、曲が出てもサブスクで簡単に聴ける時代だからこそ、一周まわって音源盤はただ「手紙」なんじゃないかとも思う。『リリィ・シュシュのすべて』にあるCDの貸し借りのシーンをふと思い出す。

 

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2023.7.17 BUCK-TICK TOUR 異空-IZORA- at 静岡市民文化会館


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最高でした。

ユータさんの本は買えなかった!(基本早くから並ぼうとしないから……)

チラチラっと話には流れてきてたのですが、アルバムのイメージよりもバンドサウンドらしいセトリだったかな。

 

 

 

 

 

私は静岡には住んでないのですが (笑)  やっぱり自分の町に大好きなミュージシャンが来るっていいよね。夢がある。

近年はミュージシャンの地方ツアーというもの自体がなくなりつつあるんじゃないかという話もチラッと聞いたけど、いやもし自分が関係者だったら「絶対やろうよ」って言ってるわ。やっぱり見慣れた日常に忽然と現れてこそ キッズに届く夢があるでしょう。ネェ あの歌を歌ってよ。

 

 

 

 

 

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久々に静岡来たけど、いややっぱこんな綺麗な土地ないわ(写真はしばらく前の伊豆なので、ここまで未開の土地みたいではないけど笑)

 

 

 

 


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◆ 隙あらばFFの進捗

 

終盤っぽい雰囲気だなってところまできました。

今日のライヴを見て「ああFF16、画的・デザイン的な独創感や吸引力がまるでないんだよな」とか思ったり(バトル面の堅実さで補ってるけど)。

あと終わってから言うつもりが我慢できなくなったけど、色彩の青色が常に青すぎるやろ。なに懐かしの実売ポーション(※青色一号使用)までリスペクトしてんだ。

 

2023.7.12 Lillies and Remains 『SUPERIOR』 Release. (+)

 

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Superior

Superior

 

最高なので是非。「期待の真上」とはまさにこのこと。

 

 

 

 

 

 

リリーズに出会ったのは、やっぱり今井先生のブログから。

 

 

 

あっ、印象的な話だった「外人さんがこの音をやったらもっと『音はどこまでいっても音』みたいな感じが出ると思う。『ビミョーに細かい強いこだわり』が日本人ぽい」という話もこの回だったか。その辺って今でも通用する聴こえ方なのだろうか。まあそれはおいといて。

 

10年ちょっと前に上の寿記から経由して聴いてみたら、マジで間違いなく格好よかった記憶。

淡々とした進行とクールなボーカルに、飽きさせない気持ちのイイ音作り。

 


Moralist S.S. - YouTube

 

 

 

ちょっと変な話に移るんですが、『響』っていう漫画が一時期結構好きだったんですけど


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「陰で本ばっか読んでいる十代少年少女の苛立ちと凶行、そしてその人を捕らえられない 彼女から発せられる乾いた旋風力」。

ざっくり言ってしまえばこの漫画のそんな感覚が、まさにリリーズの音楽のイメージとフィットしていた記憶。うーんこれでもかというくらい音楽の話してないけど (笑)。まあ彼らの音楽に対して一つの個人的アイコンとなったのが、例えば響みたいな空気感だったという話。『Moralist S.S.』『Learn to stand, walk, run, climb and dance. One cannot fly into flying.』とかいうタイトルだけでももうそんな匂いが立ち込めてくるし。

 

 

2nd miniの『MERU』で耽美さとも違う幻惑っぽさや倒錯感へ進み(大して読んでないけど三島由紀夫っぽいなとか思った)、

そして2枚目のフルアルバム『TRANSPERSONAL』。1stにはまだジュブナイルっぽい青い空白感みたいなものがあったのだが、こちらはもう「決意の塊みたいな強力さと危うさ」が迸っていた。

個人的にはこの『TRANSPERSONAL』が停滞前の最高傑作というか、やりたかったのだろう音楽にここで手が着いてその後は活動の幅を拡げつつも模索期に入ってたんじゃないかと思う。

 

 

で、なんだなんだと言ってる間にまさかの藤井麻輝プロデュースとなった3rd Album『ROMANTICISM』。個人的には贔屓も相まって「リリーズの凄さ」より「フジマキが凄すぎる」面が際立ってしまったような印象もあるアルバムだったけれども。

 


Lillies and Remains - BODY - YouTube

 

 

今井寿から名指しで称賛を受け、藤井麻輝直々のプロデュースを受け、yukihiroソロことacid androidのサポートメンバーに加わり、そしてノベンバらと同期的な絆(今回の新作にもベーシスト高松が参加)がずっと続いているバンド。

「全然ヴィジュアル系じゃないけどヴィジュアル系の原初(というかSCHAFT組)の恩寵を一身に浴びたバンド」という印象もあった。シアトリカルさとは真逆の「もう一方の90年代初期V系の血筋」であるかのような独特な立ち位置だったと思う。

 

 

 

そんなリリーズの9年ぶり最新作、聴いてください。と結びたいところだけども、9年ぶりともなればやはり単純にかつての延長線上であるわけもなく。

 


Lillies and Remains - Superior - YouTube

 

全面的にパワーアップし尽くしたサウンドや リリーズらしい “内向的な尖り” を堅持しつつも、以前よりも開放感と微かな温もりを得たようなアルバム。それは決して「軟化した」なんてものじゃなく、彼らが彼らのまま芯のブレることなく成長した音楽のように聴こえてくる。フジマキ塾も卒業(っつーか閉校?)して、正真正銘彼ら自身で『ROMANTICISM』を昇華しきったようなサウンド。改めて更に格好よくなってるぞリリーズ!

 

 

ま、そんな紹介ともつかない話はさておくとして。

初聴でも関係なく絶対格好いいです。聴いてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全然関係ない 小説作家繋がりの話

 

十代の頃に村上龍の小説を何冊か読んで、当時の自分は「際どいネタを弄んでる感しか伝わらんな」という感想に終始したんですけれども。

最近の露悪や腐敗を見せびらかすようなあれこれや言葉やを見てて、ふと「ああ、あの頃感じた村上龍小説に対する好きじゃなさに近いんだな」などと思い至り。

 

“龍コインロッカーベイビーズ 読み捨てたマリー”

 

とは特撮の『身代わりマリー』の歌詞の一文。

オーケンがどういうイメージでこの一節を入れたのかは全然知らないけど、自分はまさにコインロッカーベイビーズを(わざわざ手に取った上で)読み捨てた十代だったし、この一文で「マリー」という人物像が超ダイレクトに伝わってくるような気がする名歌詞だった。

 

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僕はやっぱり、高らかに身代わりマリーの歌を歌う側がいいわ。

あと小説はもう殆ど読まないです。

 

小林智美先生に喜んでもらえたら嬉しいようなSaGaシリーズのイメージプレイリスト

 

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FF16はまだ途中も途中です。ちまちまとやってます。


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既にいろんな感想が飛び交ってるけど、その見かける感想がまた全然偏りがなくて面白い! やれシナリオがめちゃくちゃよかった or イマイチだった、やれバトルが楽しかった or 簡単すぎた、やれ美麗な演出が凄かった or ムービーが長すぎる、やれ今までのFFで一番文句のない主人公だった or 全然感情移入できなかった……そしてやはり繰り返されるFF特有のお気に入りスタッフ・シリーズを巡る派閥争い…………ああ、帰ってきたなあ!(爆笑)

 

筆者の感想がどこに着陸するかはちゃんとエンディングまで見てからにします(サブクエは見つけたらやってるしマップもほぼ確認してまわってるのでいつになることやら)。とりあえず、「PS5込みで8万近く出してこれか……」とはなっていないです。

 

 

 

とまあFF16の話はまだ先になりますが、

 

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寝れない夜に思いつきでBUCK-TICKを中心にしたサガシリーズのイメージソング風プレイリスト」を作りはじめたら結構いい感じになったので、それでも上げとこうかと。

単に「サガに似合いそうな歌モノ集」というよりも、「仮にサガの歌モノアルバムをほぼBUCK-TICKが務めるとしたら、こうであってくれ」くらいの範囲から筆者が選んだサガイメージソング集。BUCK-TICKがサガに合うのか? イメージイラストが小林智美先生だぞ。

イメージイラスト担当ということでちょっとだけFF16に話を戻すと、今のところ「めちゃくちゃ初期FFを意識してるけど “天野喜孝臭” だけがすっぽり抜け落ちてるなあ」と思いました。それはキャラデザだけじゃなく世界観・背景的なイメージとかでも。その “臭” が結構デカいんです。まあその話はまたクリアしてからにして。


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プレイリストはテーマを3つに分けて各1時間ずつで、『サガを冒険している感』『作中に語られる伝説を覗く感』『GBサガっぽい攻撃性』の3部になりました。……が、一つ分だけ文章化したところで面倒くs……FF16の進行に支障をきたすのでやめました。なので基本は1つ目の『冒険している感』の部だけです。

では、とっとと行こう。

 

 

 

ホイ!

 

 

 

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「冒険している感」の部。『世界』と『個』のバランス感がサガらしい感じにまとまったと思う。

 

 

 

疾風のブレードランナー

疾風のブレードランナー

 

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1. 疾風のブレードランナー

ミンサガのイメソン。広大な音像に吹き荒れるノイズと芯の強いボーカル。歌詞はどの歌詞がってこともないが、「たとえ世界がどれだけ非情で苛酷でも、君は自由に生きていいんだ」みたいなところだろう。冒険はいつだって想いのままに。生きもののサガが押し通る。

 

 

2. LOVE ME

LOVE ME

LOVE ME

 

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疾走感と淡い音色のコントラストがアイシャやサラをはじめとしたサガの女主人公っぽいかなと。物語が裂けながら駆け抜けていく感じ。

歌詞的にはリサ嬢かもしれない。どんなに夢を見ても  気付けばいつも独りさ。

 

 

3. 月の砂漠

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遥か遥か遠く  名も亡き孤独の王は

サガシリーズ触りたての「マジでどこに行けばいいのか何をすればいいのか全然分かんねえ」と呼ばれるあの途方もなさを出したかった。ぴったり。

ティアキンでも結構「始まりが説明なさすぎて何をしたらいいのか分からない」と言われててビビりましたね……目の前に城とかあるやん……

 

 

 

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ワルキューレの騎行

ワルキューレの騎行

 

4. ワルキューレの騎行

サガ世界を取り巻く政治……統治、領土、戦争、謀叛、陰謀。

『異空』からなんか入れれないかなーと思ってたらピッタリなやつがあった。『ワルキューレの騎行』というネーミングセンス(※ナチス・ドイツと縁の深いワーグナーの同名曲より)もすごくサガっぽい。固有名詞としてワルキューレがサガ作品に出てきたかはあまり憶えてないが。

PS5でアンサガやれんのかな?(ローラ編しかクリアできてないんだよな) 大体攻略本情報ですがアンサガは準ラスボス組が七英雄ばりにイイキャラが揃ってるので、扱いが勿体ないなあとよく思います。

 

 

5. 謝肉祭 -カーニバル-


BUCK-TICK / Locus Solus no Kemonotachi (Day 2) / Shanikusai Carnival 謝祭 - YouTube

 

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00年代星野英彦の名曲。近年のライヴver.がまた凄いんだ。

異国の夜の祭り、妖しい店、不可解な理……そういう「旅の裏側で出会うナニか」「自分の常識の外側に在るものとの邂逅」。そんなイメージ。

 

 

6. idol

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神話あるところ、信仰あり。信仰あるところ心の闇あり。

素晴らしい破壊 そして誕生。君は神になるだろう。

 

 

7. ORIENTAL LOVE STORY

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神話サイドへの隣接。純粋に遥かなる歴史と その先に目が届くような感じですね。まさにRomanという一曲。

 

 

 

そして、悲劇は訪れる。

 


‘JUST ONE MORE KISS' BUCK TICK SUB ESPAÑOL | 𝙨𝙝𝙚𝙞𝙢𝙤𝙤𝙣 - YouTube

 

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8. JUST ONE MORE KISS

 

サガフロ2のかのヒロイン、コーデリアのイメソン。彼女的にはTABOO ver.の方がハマってるんだけど、サガシリーズのあらゆる物語を込めてこっちのversionにした。“キラメキは届かない トキメキは帰らない……”

小林智美先生の絵は上のコーディーの絵が特に名画というか印象深いです。まるで刹那の美貌、か……。

 

 

 

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Buck Tick 月下麗人 - YouTube

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9. 月下麗人

まさに耽美な闇の世界へと。

 

 

10. Alice in Wonder Underground


【PV】 BUCK TICK Alice in Wonder Underground - YouTube

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サガフロ感。というかクーン編感かもしれない。摩訶不思議で何が飛び出すか分からないちょっぴり危ない玩具の箱庭。

僕は「サガフロのノリここにあり」みたいな感じで好きなんですけどね、クーン編。冒険している楽しさというところでは作中で一番だったかなとも思うし。

 

 

 

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BUCK TICK 世界は闇で満ちている - YouTube

11. 世界は闇で満ちている

 

世界は闇で満ちている 

君が輝くために

でも世界は何も変わらないだろう

それでも夢に羽つけて飛ばせ

どこまでも

 

入れない理由はなかった。

詩人さん自身は「世界は変わらない」とは思ってないだろうから、もし彼が歌うなら人々の間で歌われていた歌を演ってみているんじゃないでしょうか。

 

 

 

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極東より愛を込めて - YouTube

12. 極東より愛を込めて

 

サガフロ2のイメソン。そしてあらゆる歴代ラストバトルへ。

 

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見つめろ目の前を 顔を背けるな

愛と 死  激情が ドロドロに溶け迫り来る

そいつが俺だろう

 

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俺らはミナシゴ 強さ身に付け

大地に聳え立つ  光り輝くこの身体

そいつがお前だろう

 

今こそ この世に 生きる意味を

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本プレイリストで聴くと終盤で一気にクライマックス度が跳ね上がる感じがまたサガらしいかなとも。

 

 

 

 


Buck Tick ANGELIC CONVERSATION PV - YouTube

 

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13. ANGELIC CONVERSATION

 

 

一言で言えば「生命賛歌」。そして「歴史となり伝説となる現在」。夢を食いちぎるバクを狩り大蛇に乗る。

そういえばこの曲を聴き始めた頃、頭に浮かぶイメージは小林先生の少年の画だったなあと。実際のキャラに反して凛々しいやつ。

 

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選んだ後からそんなことを思い出し、まさにこの曲が締めでピッタリだったかな。いや、むしろずっと私の中でサガシリーズはこの曲の印象だったのかもしれない。

そして今更ですが、私が「BUCK-TICKという音楽を通して見ているもの」と「サガシリーズ(河津作品)というゲームを通して見ているもの」はほぼ同じだと思います。「PARADE 可能性を行け。世界は闇で満ちている。」

 

そんな感じでした。

 

 

 

 

 

 


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はしょった後2つもちょろっと。

『作中に語られる伝説を覗く感』の部。ここからはBUCK-TICKオンリーじゃないです。

『gravity』Solarisが大体アルドラのイメージ(『忘却』もかな)。アルドラ、本当に初ミンサガで「RPGとはどういうことか」を叩き込まれたくらいにカルチャーショックだったキャラクターなので、ちゃんと触れたいなとは思ってるんですけどね。

珍しくDEAD ENDが入ってるのは一曲目にかなり悩んだから。結果的に『オーバーチュア』っぽくなったような。

『零式13型「愛」』は「歴史や伝説に記録されている人々の死」で、『Mortal』は「神話・観念化される死(つまりデス様ソング)」みたいな、そんなチョイスでした。

『すべてがそこに〜』は以前にも上げたようにサガスカ全体の個人的イメソン。スペルバの新曲、この曲のおかげで期待値が一段と上がってるけどまあ彼らなら応えてくれるでしょう。

 

 

 

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『GBサガっぽい攻撃性』の部。モナリザ強化版か? 肉からメタルまでOKなのはサガ3の種族変化システム。

『キャンディ』、ちょっと場違いかもしれないけど魔界塔士の荒廃都市及びサブヒロインのさやかから。もうずっとこの曲のイメージですね。

『VIETNAM』も入っとるなー(『REVOLVER』とのコンボがアツい)。

神を踏み超え続けるゲームシリーズなので、『ICONOCLASM』はこちらでもやっぱりメインソングなんですね。Gentlemanの骨もバラバラ。

最後は『愛ノ歌』。クールでオフェンシブだけどラストらしい熱が宿っている感じがめちゃくちゃ好きな曲です。わりと近年のライヴでもやってくれるよね(『Mona Lisa』と『Sid~』もやってくれ)。

そんな感じ。まあ、もし本当に魔界塔士をリメイクするならこんな感じの音楽でお願いしたいって感じです。

 

 

 

 

 

 

P.S. 16終わらせたらやってないFF一気にやろうかな〜とも思ってるけど、それはそれとしてラストレムナントをやりたい機運。去年もやんなかったか?


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Air Guitarからはじまる 半年くらいで聴いた音楽振り返り

 

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Friday Night - YouTube

 

Sobs。一時期話題になってた気がするけどその時は聴いてなくて、最近聴いてめっちゃいいじゃん!となった。なんだかシンガポールから来た新しいTommy heavenly⁶みたいだ。

出会うまでの個人的経緯もありつつなんですけど、聴いたときに「私が国内で聴きたいポップスはみんな海外でやってるんじゃないか……」とか思っちゃったな。

 

Albumタイトルはair guitar。6月30日という感じですね。

 

 

 


Sigrid - It Gets Dark - YouTube

ノルウェーのシンガーSigrid。ポップの中から溢れ出る北欧の空気。そしてわざとらしさのないパワフルさ──いや人の根源的な力強さというか(いやMVがこんなだとは知らんかったけど)。素晴らしいです。Auroraさんと同郷で親友同士なのだとか。

露悪性というか「汚さ、ニヒルさの押し売り」みたいなノリが気になる昨今だからこそ、彼女の歌が冴え渡るような感じもする。

 

 

チラッと聴いただけで「最高。」となったのが、Slow Crush。

 


Slow Crush - Swoon (official video) - YouTube

闇色で終末的なシューゲイザー。要チェックすぎる。

 

 

最高と言えば珍しくいち早くライヴハウス来日公演にまで行ってきたSoftcultですが


Softcult - Drain [official video] - YouTube

音楽性にせよスタンスやメッセージにせよ、色々と昨今の流れみたいなものを感じる、かな。

 

 

Luby Sparksは、最近親交の深いノベンバと対バンして新曲を披露したのだとか。


Luby Sparks - Depression (Official Music Video) - YouTube

 

Curveの流れ(と言われている)というのがいいよね。新曲格好よかったそうなので楽しみにしています。

 

しかし女性ボーカルばっかりになったな……うーんクールでスタイリッシュな男性ボーカリストが出れば聴くと思うし、居てほしいのですが。

 

 

 

実はしばらく前にコロナにかかりまして(念のため、イベント後とかではないです。全然変なタイミングで感染った)。家でおとなしく寝てるしかなかったので、折角だからとあまりきっちり聴けてなかったエイフェックス・ツインブライアン・イーノRadiohead辺りをまとめ聴きしたりしていました。

 


Aphex Twin - Flim (Extended Version) (1080p HD/HQ) - YouTube

 


Cmon - YouTube

 

Radioheadは別に今上げんでもいいか……。

上のEnoの曲は今年出た新作からで、なんなら彼の作品をさーっと聴いていったなかで一番良いなと思ったアルバムかもしんない。

 

 

 

そういえばというのもあれなんですけど、上田剛士のカバーアルバム買いましたよ。

 

TAKESHI UEDA -『TEENAGE DREAMS』CHIWAKI MAYUMI MIX from FM COCOLO「THE MAJESTIC SATURDAY NIGHT」 - YouTube

 

80'sパンクなどろっとした鋭さをそのまま今の音でやったような。カバー集だけどコンセプトアルバムのような濃ゆい空気と統一感のある一作。そして一曲一曲の歌詞が強い。特に『象の背』の歌詞がお気に入り。

「僕らの未来は全然暗くないと信じてみる」「象の上に乗って君らを皆踏みつぶしてあげたい」

 

 

 

 

入場者体験型展示「イマーシブメディアが描くコンテンツの未来」に新曲を提供し、展示映像の中の出演者として事前の収録にも参加。同日は完成したその展示の迫力を確認する機会となりました。

松尾さんは「NHKが取り組む研究は、やがて私たちのところまで降りてくる」と将来の実用化を見据えて言及。その上で「私たちをレトロ(懐古趣味的)と評する声を聞くこともある。こうした試みが『グリムも新しいテクノロジーにトライしているよ』というメッセージにつながれば」とも付け加えました。

 

 

見に行きたかったんだよなこれ。

グリムの 楽曲は硬派だけど活動は柔軟にいろんな魅せ方を模索しながらやってるとこ好きですね。というか改めて本当好きだなグリムは。

 

 


Here I Stand - YouTube

 

そして揺らぎ。彼らは硬派な(というか芯が強い)ようで結構アルバム毎の変化や進歩が著しいんじゃないかと思う。BUCK-TICKばりにどのアルバムからオススメするかと言われたら悩むところあるし(流石にあそこまでジャンル多岐ではないけど)。

 

 

 

えー、といった流れをぶった切るように、ゼルダ熱から『神々のトライフォース2』と『夢をみる島(リメイク・原作同梱盤)』のサントラを買いました。

 


ハイラルメインテーマ (1) - ゼルダの伝説 神々のトライフォース2 - YouTube

 

もうね、ティアキン・ブレワイのチルい路線もそれはそれなんだけども、でもやっぱりゼルダはこうだろ!って感じの2枚。

そんな感じで買ったんですけど、夢島の “あの曲” を青葉市子さんが歌ったものが収録されててびっくりした。CM用?のトラックだったそうな。

 


ゼルダの伝説 夢をみる島 CM風【かぜのさかなの歌】 - YouTube

 

スチャダラパーのあれもちょっと期待したけど入ってませんでした)

神トラ2が丸10年前……う、嘘だろ……!!!?

 

 

 

坂本龍一教授の訃報を受けて、何故か坂本美雨さんの方のアルバムをまとめ買いしていたんですけども。

 

The Other Side of Love - YouTube

 

素晴らしい歌声ですね。と言いつつやっぱりミウが一番好きなんですが。

 

ミウ - YouTube

 

反則だろ。アレンジもとても素晴らしいです。まさに「編み上げブーツ履く少女」その人。あの人は羽ばたく。

 

 

 

ライヴに行った思い出を振り返ると、やっぱりかなり面白かったのがswing, sing。会場で披露してた新曲はようやく発売するみたいですね。

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そして何と言っても記憶にも新しいLUNA SEAの武蔵野の森〜鹿鳴館。その後鹿鳴館が移転するという話が出て、だからLUNA SEA突然あの場所でやったのか……となって。改めてLUNA SEAの資料とか読んでいたら「ああ、鹿鳴館でやってるところをhideが見てすぐにスカウトされたんだよな」とか気づきなおし。紛れもなく鹿鳴館は伝説の聖地だった。

 

 

 


KAZKA x RUNSTAR - Автовідповідач [Official Music Video] - YouTube

 

これらの曲にSUGIZOサウンドが乗るのが結構容易に想像できるというか、元来的な相性の良さを感じるというか。元の彼女たちの楽曲もちょくちょく聴いてます。

 

 

 

Lillies and Remains

というバンドの新作アルバムが来月9年ぶりに出ます。以前かなりハマっていたバンドです。出た頃にまた改めて取り上げたいけれども。

 


Lillies and remains - Moralist S.S. - YouTube

 

久しぶりに聴いて、あまりの格好良さにぶっ飛んだ。視界が。ちまちまと「これは良い」「これはあんまし」みたいなことやっていた自分が。

「これも良い」じゃなくて「これ “が” 良い」「これをやりたい。これになりたい」があった。初めて聴いた時のショックをそのまま思い出したような気もする。ポスト・パンクという言葉で形容される彼らの音は、腐っていく視界やそれを振りまきに来る連中を まるで冷たいナイフで刺していくような音楽だと、私はなんとなく(というか極めて感覚的に)感じていた。

 


Lillies and Remains - Neon Lights - YouTube

 

 

 

 

 


BUCK-TICK - Sayonara Shelter destroy and regenerate-Mix Sub. Español - YouTube

 

ツアーはね、あまり明かしたくはないけど例の台風で延期したやつに行く予定でした(実際被災状態でギリギリ行けるかどうかだったし)。まあでも行きますよ。

というわけで改めて『異空』をフルで聴いてるけど、やはり死生観・個の表現の鋭さというか距離の近さがどこよりも際立っているなと感じる。ふと、JがBUCK-TICKとの出会いについて語った「肉体を伴わない暴力的なバンド」という言葉を改めて思い出したり(このJの言葉、抽象的だけどいっちばん同意できるんだよな。『ヒズミ』なんてまさしくその言葉通りな曲だと思う)。思えばBUCK-TICKはずっとそういう「表立って傷つけずに心臓を刺す」ようなスタイルのバンドでもあった。

また、アルバム発売後の各レビューで、改めて「長寿バンドは数あれどここまで変化と発展を継続・更新し続けているバンドは世界的にも稀だ」という評価を幾つと受けたと思う。知ってたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

半年のまとめとして、この音楽たち(+プラとbulb)を2時間に収めたプレイリストを作って聴いてるけど、流石に上げる意味はなさすぎるのでやめた。

やめたけど、それらの音楽を通しで聴いていたら「私は今けっこう “ヤル気” なんじゃないか?」とか思った。何を殺るんだよ。FF16今日からやります。

 

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