2020.9.21 BUCK-TICK『ABRACADABRA』!

 

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文句なしに最高。もう配信ライヴ直後からそんな色々書けないよ…

 

 

アルバム!ABRACADABRA!

タイトル普通に今井さんのセンスだろうなぁ~って思ってたら櫻井さん発とは驚きよね。「ユーモアの使い方を心得てる」ってこういうことを言うんだろうな。

 

アルバムの個人的な第一感想としては「多色彩で上品なインダストリアルっぽいの」って感じでした。

これは前々から言ってることではあるんですけど、色んな楽曲ジャンルがある中で、例えば「メタル」とかは演奏を指す場合が多いけど「インダストリアル」って本来 “音” の分野じゃないですか。だからミニストリーやNIN的な楽曲性でなくとももっと広い形態があり得るはずだってずっと思ってるんですよね。BUCK-TICKは、昔からそういうところもあったし今作は特に幅広い曲調でインダストリアルみたいな音鳴ってんなーって。

 

あとアルバム全体はカラフルでニュートラルなイメージなんだけど、URAHARA-JUKUやVillainを顕著に結構櫻井さんが吠えてるの、Mona Lisaの空気を彷彿とさせるなーとか。Villainのあのノリはもう絶対他の何処にもないやろ。

 

星野曲今回いつにも増して冴え渡ってる感じしません? 凍えるの時点で「ほら凄いのきたぞぉ…」ってなってたし。或アナ以後の路線のシアトリカルさに星野節がとても馴染んでるとも思うし、そう考えると今回ガラッと空気変わったもののやはり前3作の血が濃く継がれてるよなーって思いますね。

 

獣たちの夜のYOW-ROW ver.! 聴く前は「単純によりへヴィになってたらいいな」くらいに思ってたんすけど、それだけじゃなく音の方向性というかカラーリング自体が増えてちょっとオサレにもなってるのが実にBUCK-TICK~って感じ。例えばSCHAFTだったらこういうアレンジにはしてないよなって。いや更にカッコよくかつ妖しくなったわ。

 

ユリイカはもう問答無用で好きです。こういうエナジー飛ばすことしか考えてないなみたいな曲結構好きなんです。まあそれでいてガツガツし過ぎず美しいんだけど。

アルバム名より先にこの歌詞の「アーブーラッカーダーブーラッ!」が出来てたっていうの何かいいよね。勢い重視にちょっとユーモアも乗せて中身は疫病退散のお呪い。それがアルバム総体のタイトルにもなったという。

 

忘却、例えば或アナの時はアルバムラストに対して「いや形而上めっちゃいい曲なんだけど、これで終わりは喪失感すごいわ……」ってなっちゃって、そういう櫻井さんの趣味みたいな(笑) ラストはちょっと苦手なんですけど、忘却ラストは重たい雲路が「先」まで続いてるような「救い」を感じていいなあと思うんですよね。

 

1日目はそんな感じです。あとは舞夢マイム相変わらず遊びの精神を忘れない方々だなあ~とか、うん。

 

 

LIVE ON THE NET、

無観客なのに最後の最後に独壇場持ってきたの強い意志とかが込められてた気がするよ。曲自身のテーマも合わせて。いつもは無題で会場冷やして帰るのにな。

タイトル的にLiving on the Netやるかなーとは思ってたけどあの曲のアコースティックver.とか予想つかんわ。

 

 

フィルムツアーは当然行くんですけど、ライヴ、あんまり櫻井さんに「本当に見てくれてるんでしょうか…」とか言わせたくないし行きたいよなあ。

 

 

2020.8.17 Peep Plastic Partition #2 真っ赤な糸


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https://t.co/P3WscEIo1D

 

ストリーミングライヴ拝聴・参加しましたー。

ライヴ行きたいなああ~~~~~!!! 十色定理ツアーで初参戦としようと思ってたけど、世の流れはそうもいかなくなってしまい。

 

 

最初の数曲は見れなかったんだけど、追々アーカイブで見ます(眠れる森逃したのは痛すぎる…)

 

ザザ降りの演出超綺麗でカッコよかったな…

 

メルト、ああ これは竜太朗さんの歌声のための曲なんだと改めて思い知らされたというか

 

正リーダーはゾンビ紳士風というかナイトメアビフォアクリスマスのジャックから気取りげを抜いて落ち着きを入れたみたいな佇まいでイカしてた。

 

ケンケンさんのドラムはストリーミングでもビシビシ伝わる迫力があるし。

 

アキラさんは、アキラさんってだけでカッコいいみたいなとこあるからな(贔屓)

 

プラも大概曲の数が膨大だから何が飛び出すかなーと思ってたら見事に好きな曲ばっかりで最高の気分。

十色定理の曲は本当に全員集まれる時まで大事に取っておくのかな…お客の反応が間近で掴めないってやっぱ大変だろうしね。

それでも熱の下がることのないステージでした。

 

 

いやー、ライヴ行きたい。

とってもオススメのアルバム


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先日買いました。THE NOVEMBERSの『At The Beginning』。

ドリーム系にいい感じのリズム、エレクトロ、ノイズというか。アシッド感というか。いやそういう既存の言葉をあんま用いたくないな。とにかく良かったっす。

 

ノベンバに注目しはじめたのは恥ずかしながらここ数年で、アルバムは一、二枚聴いたな。

 

音、メロディ、そして鋭いメッセージ性を絶妙な抽象でくるんだ歌詞。どれも良かったです。自分が「これこれ!こういうの!!」ってなるのが “最新” として降ってくるとやっぱ嬉しいね。

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そういえばノベンバの公式ツイート(https://twitter.com/THE_NOVEMBERS?s=09)で興味深い一文を見ました。


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話自体はコロナを受けて変節していく社会状態とその未来への警句だと思われるが、この彼らの社会観・未来観は本アルバムや以後のものに引き継がれていくのでしょう。

サイバーパンク作品群を “古く見え具合” と一蹴する彼らが提示しようとする世界観、テーゼ、非常に興味あります。

 

 

 

一緒に撮った本はもしかしたら感想書くかも。多分書かないと思う。まずまず面白かったけど。

 

 

2020.5.2の記 ~いろんなhideの曲振り返り~

hideが旅立ってから22年


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僕の人生は彼と出会ってから回りだしたようなもので。といっても聴きはじめた頃には彼は既にいなかったんだけど。

今でもロック・ヒーローって言ったら自分の中ではこの人なんだなあって。

自分も歳を重ねていくごとにどれだけ凄くてどれだけヤバいお方だったのかってのはより一層リアルに響いてきたり。

 

某氏がhideをロックという言葉を当てず「ポップス・エンターテイメントスター」という言葉で語ってたけど、それもまた一つの正解だろうなとも思う。

常に自分の思う最高のロックスター像を貫き、ファンや大衆にも提示し続け、絶対にファンを、そして自分自身を悲しませないよう落胆させないよう真っ先に行動し続けたというhide。

いやあ、俺にはできねえなあって(笑)。そういう彼の姿勢のおかげで人生の半分以上を彼の音楽と一緒に生きてきたんだけど、今自分もそういう在り方が理想かって言ったらまた違って。でもhideはやっぱり最高のロック・スターだと思ってて、そういうエンターテイメントに振った “スター性” が今でも仲間たちやファンたちに愛され続けてる理由なのかなと思う。

『ロック』としても『スター』としてもぶっちぎってたな、やっぱ。


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ま、死後からのファンに語れることなんてこんなもんなので(笑)。

ともかく今日は一日hide三昧。聴きながら好きな曲のことでも書いてこうかな。

※筆者の語彙力のなさにより「カッコいい」密集地帯と化しております。カッコいいhideの音楽を側において読まれることをお勧めします。

 

 


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CELEBRATION、Xというメタルを下地にしたバンドでこんなポップでキャッチーなパンクを成立させてしまうの本当すごいなと改めて思ったり。それはHIDEのセンスのなせる業でもあり、またそれを許容できるバンド作業の成果であり(あまりXってかYOSHIKIに対してそこまで穏やかではない私なんだけど、この頃のXは名実共に最高のバンドだったろうなと思うなど)。

なんと言ってもギターフレーズのキャッチーさね。HIDE曲なんかは顕著だけど、X通してHIDEの功績ってでかいんだなと思う。

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紅ギターソロの歴史   https://youtu.be/mZOsnPIwMV8

 

ここでToshIも語ってるように紅はHIDEの一声で主要曲に復活しギターソロはHIDE&TAIJIが大々的にアレンジしたという。見事にHIDEが加わった時からいかにもメタルらしいギターソロから大幅に変化している。こういうバンドメンバーの蓄積がなければ例えばサイジェラとかもああいうギターソロにはならなかったのではと思うと、その功績はあまりにもでかい。

 

中学の頃Love Replicaが弾きたくてJealousyのスコア買ったらHIDEからのコメントで「これを弾きたいと思う奴いないだろw」って書かれてたって話する? いやサイジェラよりStab me~よりとにかくこれが弾きたかったんだけど…。似たような話で「LUNA SEAのMOTHERのスコア買ったらSUGIZOのコメントで『こういうのがあってもいいけど、基本は耳コピだよ』って書かれてた」という体験もあります。

 

SCARS、ほんっとカッコいい。Xのカッコいい曲永遠のナンバーワンなんだよな。私的イメージだけどダークヒーロー!って感じ。詞は多分TAIJI脱退についてなんだろうけど。

hideの最高傑作っていったらピンクスパイダーが挙げられがちなんだけど、ことメロディライン・構成という面ではこの曲こそだと思う。

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SCHAFTが2015,16年に今井寿&藤井麻輝に加えYOW-ROW、上田剛士yukihiroという「ぼくの考えた最強の国内インダストリアルユニット」みたいな超メンバーでバンド編成したけど、そこにhideがいないの本当勿体ないなあとつくづく思う。96年より前でSCARSやzilchみたいなセンスを投下できる男がそこにいたはずなのに。

 

 


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PSYCHOMMUNITY

まずこの曲とこの1stアルバムにはhideから少年・松本秀人に宛てた手紙が思い浮かぶ。

(画像は @old_school_vk様 https://twitter.com/old_school_vk/status/966692661460529153?s=09 より拝借)

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紛れもない全てのロックキッズとロックミュージシャンに捧ぐべき一文。ずっとロックという「ワクワク」を探したり聴き返したりしてるのだろう。

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この曲、ライブのOP用に作ったのに「壮大すぎて恥ずかしい」っつって使わなかったってね。『WORLD ANTHEM』なXとの対比が面白い(笑) 。

「精神共同体(PSYCHOMMUNITY)」って造語、実は結構汎用性高いよな。特に現代。

 

DICEは正真正銘V系の生みの親であるhideからのザ・V系っぽい曲って感じ。ストレートに超カッコいい。ギターソロが鬼カッコいいけどその後ろで鳴ってるテリー・ボジオのドラムがまたカッコよすぎてどっちに集中したらいいか分からなくなるの最高すぎないか?

 

SCANNER(愛のデュエット?)が未だにアルバム入りしたことないという事実。何故。隆一側からNGは出さんやろってか隆一自身がちょくちょくhideのイベントに出て歌ってるくらいなのに(マジで音源化望む)。RYUICHIの歌声はインディーズ時代も若かりし頃も河村期も今も好きですというご立派な奴隷みたいな私だけど、でも「一番尖りがカッコいいRYUICHIの歌声は?」って言われたらこの愛のデュエット?だと言い張る。だから勿体ないじゃんね。

 

EYES LOVE YOU、原曲はポップすぎてそんなにだけどライブ版は淫靡で妖しくてとても良き。個人的にはHONEY BLADEと同じ世界観って印象。勿論作詞者も違うし本人の意図ではないけど、HONEY BLADEがB級ロマンスみたいな壊れた恋劇の叙事詩だとしたらこちらはそこに灯る叙情詩って感じ。

 

うーん耽美とか美学主義とか持て囃された時代にDRINK OR DIEを放り込むノリよ。「酔っぱらって、氷川丸を沈没させることだあッ!!」

 

DOUBT、私が初めて出会ったインダストリアル・ロック。心震えすぎてインダストリアル漁ろー!ってなったな。結局やや疎かになってるけど(笑)。まさに「ポップソングからコアな音楽への入り口」を作って頂いたのだ。ムカついてる時とかDOUBT聴くよね。

唐突だけど「魔界塔士Sa・Ga」のかみ戦ピッタリって感じ

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Hey Gentleman!  そんなにそっちの水は甘いか?

Gentleman!  カビくさいダイヤでも喰らえf:id:franca_LEDIEFAHT:20200502135701j:image

木っ端微塵のchaos(生ける者のサガ)を喉に詰め込め

(何故突然BLUE BLOODと同い年くらいのレトロゲームを…)サガ信者なので…。神をバラバラにするにも相応しいヘイトアンセムってこった。

 

「核戦争後の誰もいなくなった世界でヒッピーの兄ちゃんと一匹の猿がセッションしてる」ってどんな世界観なの…(A STORY

 

BLUE SKY COMPLEXやっぱいいなー。ファンクなノリにhideにしては比較的ダウナーなボーカル。でもこの曲の真の骨頂はアウトロの長いセッションタイムよね。

 

OBLAAT! 多分1st.で一番好きだな。初めて聴いた時からツボ全押しだった。音よし、メロディよし、歌声すごい好き、歌詞なんかかっけー、アウトロの暴走タイム最高、でPSYENCE A GO GOのライヴバージョン見て全部持ってかれた中学時代。

それなりにライヴ行ったり見たりするけど、でも自分にとって「ライヴ」というものへの価値観を固めたのはやっぱり初めて見たPSYENCE A GO GOのフィルム映像だったなって。歓楽、暴走、ショータイム。予定調和お断り。それでこそのライヴ。

 

結局、hideがTELL MEに込めた思いって何だったんだろうなとちょくちょく考える。再レコーディングを予定したりするほど大事にしていた曲。

舞台で化粧をして華やいでも結局弱い自分は残っていて、時には自分が自分かも見えなくなって。自分が自分の歌を歌ってるのかも分からなくなって。そう書くと「ヴィジュアル系の裏のテーマ」って感じもするよね。

ラスサビまでの歌詞と、最後のDメロ歌詞にはちょっと距離があると思う。いわば “問題” と “正答”。ただ、その正答に行き着くまでの方程式はこの曲の中では触れられない。そういう憂いと見つけられないなりの希望を感じる。

Singin' my song, for me.  Singin' your song, for you. 

 

V系」という言葉もあるかないかで「美学系」などと呼ばれたりもしていた時代。そんな時代の、ここまで渾身の思いを詰めた自身のファースト・ソロアルバムの実質ラストナンバーが『50% & 50% (CRYSTAL LAKE VERSION)』なの最高すぎないすか。V系の生みの親・hideにとっては生きざまだ美意識だを強調する姿勢よりも面白おかしなエンターテイメントだったんだな。どちらが良いか悪いかではなく、キレッキレやなあ (笑) って。

 

でも、そんな1st.Album『HIDE YOUR FACE』にこそhideの94年時点での半生とも言うべきロックの景色が詰め込まれていたんだよね。それってすごい素敵な証明だと思う。カオスはそんな小綺麗にまとまるもんじゃねえぞって。

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限界破裂、カッコいいギターリフと歌メロ、ハードながらするすると流れていく曲展開に加えライヴの赤灯演出が本当格好いいんだよな。

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LEMONed I Screamはshameのトリビュートの方が実は好きかな。ついでに言うとPOSEもトラックとしてはCUTTさんのオサレなトリビュートが一番好きだったり。しかし優しい曲だよね。

 

hideの曲のカヴァーは(V系シーンを主軸に)ごまんとあるけど、未だにHi-Hoをカヴァーしたバンドがいない(はず)ってのがhideの異次元ぶりを証明してると思うの(いたらスイマセン)。

無駄だらけの そんな君の世界が好き

空回りでも 混ざらない君の魅力の勝ち

もし良ければくだらないボクらと踊りましょう

ぶっ続けで聴くとPSYENCEの歌詞は優しいなあw

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君の宇宙で小ちゃな星ごと踊りだす  Hi-Ho!

 

FLAME本当好き。自分の中でロックバラードらしいロックバラードって言ったらずっとこの曲のイメージ。まさに光に対置する影のような優しさ、影や炎の揺らぎのような心地好さ。空間的でキーボードも入るライヴバージョンをよく愛聴しているけど原曲の歌声やっぱすごい優しいな。

 

Beauty & Stupidがクラブのノリとの融合で画期的だったというのは正直隔世の感で未だに伝わらないところある。96年の音じゃねえ!ってのは全編通して伝わるけど。

 

BACTERIAのMV、hideでは一番好き。

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今はマスクお洒落がニーズだからな!

「掃き溜めの鶴毟られ殺された」のどっかで言ってみたい感。まさにPOSEと並んで下らない世界へのヘイトアンセムって感じだ。

 

I.N.Aさんの本に書いてあった「GOOD BYEビートルズの現代版っぽいって褒められたけどhideちゃんも俺もビートルズちゃんと聴いたことなかった」って話好き。今井さんといいこれだから邪道ギタリストは。

私ももし何処か一人迷っても聞こえたなら軽やかに歩き出せるかな。いやそれで何とか今日まで生きてきたのか。

 

POSEは先に書いたようにCUTTトリビュートが大好きなんですけど、でも一番はXのHIDEの部屋コーナーのやつ。リアルタイムだったら最高だったろうなって。

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https://youtu.be/ZB1TSBFiA3E

未来人すぎんだろ

 

 

ある頃私は滅茶苦茶やさぐれてて、もう本当に何も信じられないみたいな時期があったんだけど、そんな頃の夜中に何となくMISERYのMV動画を開いた。そこの紹介テキストで初めて彼女も旅立たれていたことを知った。もう色んなものが重なって一晩中MISERY聴きながらぼろぼろ泣いてた。本当に。変な話あれ以来10年近く涙が出てないんだが、単なる不健康か、枯れるまで踊り尽くしたのかな。

全て受け止めて  この空の下で  君が笑う

シングルバージョンの方がギターうっさくて好きだな。BUCK-TICKの『キャンディ』『疾風のブレードランナー』と並んでポップス・ロック及びピースフルなロックの個人的最正解って感じ。

 

改めてだがこの名アルバム『PSYENCE』を3人かつほぼ2ヶ月で作ったのヤバすぎるでしょ。

 


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Junk Storyもこの頃に作られたという。歌の歌詞が、『兄弟』にも出てくる真由子さん宛の手紙ほぼまんまかな…。

真由子の歩調に合わせて歩いているうちに、ノイズがどんどん聞こえなくなって、昔のこととか、初めての東京ドームのこととか、忘れていたいろいろな『絵』が見えてきて、感動しました。真由子のお陰で、思い出さなきゃいけなかったいくつかのことが、頭に焼きつきました。ありがとう。」(Make-A-Wish Japanより抜粋)

あの日の物語 明日の歌に繋げようか

上の方に「TELL MEの歌詞には問題と正答だけで式がないかのよう」と書きましたが、某所で「Junk Storyの歌詞はTELL MEの精神的な続編であり回答」という読み方をされてるのを見ました。うん、そう読める。

ギターがやたらエスニックなファンタジー感出してて心地好いんだよな。

 


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そして『Ja,Zoo』へ

 

SPREAD BEAVER、出だしからカッコよすぎる。古い古くないっつーよりこういう音の組み立てしてる曲が他所で聴けないでしょっつう。それが “PSYBORG ROCK” と呼ぶところかな。

 

“自身にとっても深く辛い事態だったX解散に対し、「悲しませておくわけにはいかない」って即日ROCKET DIVEを発表し、尚且つ「こんな綺麗事歌うやつ信用できない」って自分で言い出してピンク スパイダーever freeで補完する”っていう責任感。一生見習っていきたい。責任感が生んだ名曲群。

やっぱROCKET DIVEのギターソロ、誰に何と言われようとこの世のギターソロで一番好きやわ。そして俺も真っ先にこれ弾こうとしたし。そういうキッズを全国に量産した時点で狙い通りだったんだろうな、多分。

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ピンク スパイダー、文句なしの傑作曲。へヴィなバンドサウンドと糸巻くようなデジタルが初っぱなから絡み合うサウンド。キリキリとキマっているようなAメロ~サビ前半、そしてバラードのように美しいサビ後半とフィニッシュ。それらがポップでコーティングしてまとめ上げられている。

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間違いなく傑作であると共に、「間違いなくこの更に先の境地まで行けたよな…」という “過渡期感” もまた思わされてしまう。

歌詞はネットという「切り取られた四角い世界」に溺れる時代への早すぎた暗喩。

サビ後半のバラードっぽいところはバラードっぽく淡く歌っちゃ駄目なんだよね。美しい旋律を瞳孔ガン開きみたいなテンションでがならないと駄目ですという厄介な私からのお言葉。数あるカヴァーでそこを守ってくれたのは何気にToshIだけだったなと思ったりも。

 

DOUBTはI.N.Aによるリミックスが施された『TRIBUTE V』収録バージョンと、2013年氣志團万博のテイク(hideのボーカルと今井寿森岡賢、Tetsu、J、HISASHI & 氣志團による演奏)が最高という意見。

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氣志團万博2013  https://youtu.be/XTHy2o3FMIY

DOUBTに乗るTetsuのやかましいドラムと今井さんの怪ギター完璧すぎでしょ。

 

ever free、10代の頃は「いいこと歌ってる風なポップな曲」止まりだったけど二十歳過ぎてから沁みること沁みること。ベタすぎか俺は。

消えてゆく最初のメロディー  何処でナクシタのだろう?

何処へ行きたいのだろう?

デタラメと呼ばれた君の自由の翼はまだ閉じたままで眠ってる

hideの当初の案ではこれをアルバムラストにする案もあったんだよね。そっちの方向で進めてほしかった。ということでマイプレイリストは大体ever freeがトリです。

 

BREEDINGはこのアルバム後半に相応しく音が(ついでにhideの歌声も)鋭くカッコよき。

この歌の歌詞聴いてるとジョジョディアボロとドッピオを思い起こすのは俺だけでいい。

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ムシ達と歩いて行こう  鬼達をかわしながら

本当は僕 買われているのか?

 

HURRY GO ROUND、女性ボーカルでも聴いてみたいな。坂本美羽さんとかどうなんやろ。NOVEMBERS

シューゲイザーカヴァーも良かったな。

 

 

 

では、

 

「日本のォ神奈川県横須賀市からいらっしゃいましたー松本秀人さんですぅ~張りきってどうぞー!」

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あのタイミングでzilchがリリースされていたら、音楽の世界地図は変わっていたと思う」(J

順調にリリースできていればマンソンの『ANTICHRIST SVPERSTAR』より早かったはずだからね。

フジマキに伝えたという「SCHAFTが日本スタートでああいう音楽を始めてるから、逆に俺は海外発でやろうと思ってzilchを作った」も合わせて。

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それは邦楽と洋楽の間の分厚い隔たりが今日まで解体される、その前夜の話。

 

改めて聴くとSCHAFTの『SWITCHBLADE』の方が洋楽感強くてこのzilchの『3・2・1』の方が「あーでもめっちゃ邦楽のエッセンスだよなあ(笑) 」てなるのちょっと面白いな(笑)。まさに「アメリカにケンカを売るためのバンド」。

SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPANなんかは超露骨にケンカ売ってるけど、INSIDE THE PERVERT MOUNDなんかでも「いや、でも当時の海外で通用するんかこれ?」って(勿論クオリティではなくつくりの面で)。全然言語化はできないけど、「アイデアの立て方が邦楽でしょ」みたいな感触。良い意味で場違いな音が散りばめられてるというか。でもインターネットが普及するなり日本の音楽が趣味な方々にはウケていったのを思えばつまりそういうことかな。

足上げたら痺れるなんて何考えてんのか全然分かんないよ。何でいっつもそんなこと言うの?

 

WHAT'S UP MR. JONES?』、デヴィッド・ボウイへの個人的な当てつけとも言われるこの歌詞。まさに地の底から喰いかかるダークヒーローって感じでカッコよすぎるんだ。

 

他のワークと被ってない曲だと、PSYCHEは鉄板か…。HEY MAN SO LONGとか好きだな。うねるようなデジタルノイズが心地好くて。

DOUBT、原曲よりこっちの方がギター歌ってるくらいある。

 

EASY JESUSこのアルバムのトリに相応しいくらい格好いいと思ってるのにあんま人気なさげなの何でや。


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先にも挙げたI.N.Aによるリミックス作品『TRIBUTE V』はマジでオススメの一枚。

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Squeeze IT!! も原曲の空気っぷりが嘘みたいにサイバーでガチカッコよくなってるから。そしてI.N.Aさん曰く集大成型のDOUBT。トリがOBLAATなのもあのステージを共に駆け抜けたI.N.Aさんならではだろう(笑)

hideソロ版CELEBRATIONも格好いいんだよなあ。ちょっと櫻井さんに歌ってもらいたいw

定期的にこういう作品やってくんないかな。

 

 

この曲を忘れるわけにはいきませんね。90年代国内音楽シーンの真の偉人達の本気がここに詰まってる。どうぞ。『SUPERSCHAFTRACK』。

https://youtu.be/kW9vtOumhRM
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さーっと一日中聴き返して、思うのは、「彼の音楽と共に生きてきたのは自分にとって最高に幸福で、自慢なことだ」ってことかな。

BUCK-TICKともども。

 

https://www.instagram.com/p/B_roIW-Jrap/?igshid=1cirp2d97lv5p

 

 

Ladies and Gentleman, Boys and Girls.

  Life is still going on !!

絵画探索メモ1

その名のとおり古い絵画とかをネットで漁ってまわったやつのメモ。

Twitterとかではそういうの好きでタイムラインに流してるのですが、忙しさにかまけたりしていっちょん覚えないのでここで書いて貼らせて頂ければまあ覚えるだろうという安直でセコセコな試み。更新続くんか?

え? 好きな画家? とりあえずバンクシーとか答えといたらええかな…。一応シュレッダー事件前から追ってはいたし(追ってただけ)

 

 

ジョン・アトキンソン・グリムショー (John Atkinson Grimshaw)

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1836年9月6日~1893年10月13日。イギリス。

美しいー。夜想ー。
ビクトリア朝時代の芸術家。ラファエロ前派スタイル(乱暴にいえば「自然をありのままに再現すべき」的な作風)。

ゴッホらとほぼ同期。だがグリムショーの絵はすぐに売り飛ばされて正式に残されていないので公的に残ってるものはほぼないとか。文筆活動みたいなのもやんなかったらしい。無名の偉人感。

 

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ヨハン・クリスチャン・ダール(Johan Christian Dahl)

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1788年2月24日〜1857年10月14日。ノルウェー

ロマン派の代表的画家だとか。

風景画は単なる自然の模写ではなく、自然の偉大さや歴史、その周りに生活する人々の息づかいなどを伝えるものでなくてはならないと考えていた云々。

デンマーク領がスウェーデンノルウェー二重王国になり民族主義の流れが高まると、そうした気運の中で民族的ロマン主義が勃興。ダールの風景画はそうした民族的ロマン主義の影響元とされ『ノルウェー風景画の父』と称される云々。


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なんというか、空に優しみを覚える絵ですね。幼少から往年まで苦労や不幸を重ね続けたけど気遣いのできる人で、内向的なカスパー・ダーヴィト・フリードリヒのよき親友だった という逸話が何となく伝わるというか。

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カスパー・ダーヴィト・フリードリヒはドイツのロマン主義絵画を代表する画家。この絵の人。f:id:franca_LEDIEFAHT:20200318224354j:image

やや過剰ともなりかねない愛国主義的姿勢や反フランス主義、神秘主義的傾向で政治的な面で批判を浴びる事もあり。死後にはナチスにも利用された。

早くに妹が亡くなり、また目の前で弟が亡くなる。それを助けることが出来なかったことで自身を攻め苛み、うつ病になり自殺未遂を起こしていたという。両親も早くに亡くしている。

ナショナリズムは御免被りたいが氏の作品から伝わる死の匂いはなかなか思うところある。


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後年、病による麻痺で油彩画が描けなくなった中で仕上げたとされる遺作。
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アルヒープ・イヴァノヴィチ・クインジ(Архип Иванович Куинджи)

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1842年1月27日〜1910年7月24日。ウクライナ出身、ロシア。

蒼くて暗くて好きすぎる。

1870年に結成された「移動派」こと巡廻美術展協会(ロシア帝国専制政治批判などを取り組んだ芸術運動)の組合員。

初期のクインジはイワン・アイワゾフスキーの影響を受け、海に関連する題材を選んでいたが、1870年代の半ばに自然界をモチーフとした数々の風景画を生み出すようになった。自分の最も奥深い情感を自然界のありさまの輝きに置き換えようと熱望した云々。


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https://iskusstvo-jp.com/items/5c53e224787d84215f0a2f73  より


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先達にあたるイヴァン・アイヴァゾフスキーは海を大半のモチーフに風景画を描き続けた代表的な海洋画家。

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気が向いたら気が向いた頃に続く。多分。

2019.12.29 BUCK-TICK『THE DAY IN QUESTION 2019』 in 代々木


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行ってきましたー。最高の最幸でした。

 

もうそのままベスト盤にしてしまえそうなハイテンションで大盤振る舞いなセトリ。古くはTABOOの曲から来年の新曲まで様々な時代の楽曲を網羅してきて、だからこそ一曲一曲の演奏に「ああ、今現在のこのバンドが最高なんだなあ」と実感するライヴでした。

 

序盤の『唄』と『獣たちの夜』、間奏あたりで金属をガンガン打ち鳴らすような裏打ち入ってましたね。ロクスソルスでは聴こえなかったと思うのでニューウェポンなのでしょうか。獣たちの間奏明け歌メロに今井さんがギターソロから繋げてコーラスのように被せてきてて、うあーどんどんカッコよくなっとる!ともなり。

 

聞いた話だと代々木体育館の会場で音を整えるのは結構大変らしくて、それをこうも音を壊さずにやりきるのは本当にすごいとか。体内が揺さぶられるようなリズムを発するユータさんとアニイ(※筆者はアニイが敬称だと思っています)にはライヴに来る度に感謝でいっぱいになります。

ロクスソルスがBUCK-TICKのエンターテイメント面極振りだったとするなら、今回のDIQはバンド自身の実力の塊というか、ストレートな「「「強い!!!」」」でした。

 

あと、改めてもなんなんだけどやっぱりBUCK-TICKってゴスバンドなんだなあと再確認したというか。

開幕夢魔は言うまでもないんだけどw、唄も獣たちも羽虫もドリーも絶界も改めてゴス的な香りを感じながら。『Snow white』のモノクロのディープな世界は心地良さみたいなのすらあったし。信頼と実績の『無題』〆くるし。アンコ2であの星野さん作名曲『ドレス』だし。

ゴスって書いたのは僕の勝手なニュアンスも込めてるんですけど、「闇」とか「ダーク」とか言ったらなんか邪で排他的でマイナスじゃないといけないみたいに聞こえちゃわないです? それだけではない、何というか ”幽霊が立っている普遍性“ とも言えるような、「在っていいんだ」「誰がいてもどんな曲が流れてもいいんだよ」っていうような闇より深い器のようなものに浸かってる気になる。それはBUCK-TICKのライヴに行く度に感じることだけど。個人的刹那的な闇というよりも真っ暗な大陸。「みんな一人ね」という僕達の共通項。世界は闇で満ちて云々。

 

中盤には懐かしのTABOO収録曲『SILENT NIGHT』。TABOOの音源ではまだまだ初期ーって感じのテイクですけれど、今回会場で聴いたそれは熟しきった歌声と世界観。そのしっとりした空気。

そしてそこからの軽妙なティンパニが鳴りだしての『Alice in Wonder Underground』♪  この2曲の流れがすごい気持ちよくて、その対比はまるで儚い祈りと奇妙な夢への招待、見上げていた少年から魔界へと招く案内人へ。とても良い物語でした。

 

これから発売される新曲『堕天使』はやはりライヴ映えしそうだけどグラムっぽくてややクレバーな感じ?のナンバー。とか書いたらなんか『HURRY UP MODE』浮かんできたけど。あーでもここでHURRY UP MODEの名前が出てくるのもまた面白いというか。いや「どこがじゃい!」って言われたらアレなんだけどw(メロディが似てるとかではないし)

 

 

久々の『独壇場Beauty』も嬉しかったな。ずっと定番だったけど2年ぶりくらい? このアッパーな追悼曲転じて生命への応援歌、”2010年代のBUCK-TICKソングで一番好きなのは?“ って聞かれたら結局これですってくらい大好きなんですよ。「死ぬほど楽しめ踊れ」のフレーズのままに。

そして『FLAME』と『LOVE ME』。本当BUCK-TICKでも指で数えるくらい大好きな曲なので、聴けたことが本当に嬉しかったな。どちらも本編とオーラスの締めという。ずっとライヴで聴きたかった2曲だったので、あとは『ANGELIC CONVERSATION』も行った時にお願いしたいですね(傲慢です、強欲です、ちゃんと行きます)。

 



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来年のBUCK-TICKは『堕天使』に『PARADE Ⅲ』、FT限定ライヴツアーから始まり、夏にはニューアルバム、秋にはホールツアーで年末にはDIQ武道館と。

多幸に次ぐ多幸ですが、メンバーの方々には櫻井さんの先日ラストMCをそのままお返しするようですが是非とも「ご自愛ください」です。来年も受けとれるまま楽しんでいきたいです。

幽谷霧子に関するメモ1:霧子という光が鳴る

遅ればせながらシャニマスをやりはじめまして。

まだ全員プロデュースしたわけじゃないんだけど、幽谷霧子ちゃん


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衝撃が凄かった。彼女を構成するあらゆる要素が全弾自分に直撃したような。ええ。

 

あまりに一個一個が刺さりすぎて全容を掴むのに混乱してしまったので、このページは「自分の見た霧子」と「まだ見えていない霧子」を整理することを目的としたメモ。まだ一枚しかプロデュースしてないけど(しかも優勝できてない。Daだと一回しか優勝できておらず。つらい)。

 

プロデュースしたカードは【霧・音・燦・燦】。サポートカードも数枚見てるけど、やはり本題はプロデュースカードの方なのでそちらを主軸に振り返ります。

 

 

えー、基本的な情報のコピペ。

ミステリアスな雰囲気を醸し出す銀髪の女の子。儚げな雰囲気とぐるぐると巻いた包帯が特徴的。口数は少ないが、心優しい性格。高校2年生。

アンティーカというV系みのあるアイドルグループに所属している。


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早いわ。もうちょい待って。最後にやるから。

 

 

 

1. 霧子の成長物語


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気弱な少女が少しずつ勇気や自信をつけて成長していくという、アイマスや引いてはこの手のシミュレーションゲームの定番であるだろう要素。定番だけど何回触れても好きなやつ。

ただ、「弱気な自分から成長していくアイドル」といえば同作に大崎甜花もいて、彼女の方が分かりやすくそれ系のタイプだと思う。霧子は弱気や臆病より先に、空白感や感情表現の薄さが前面に出ている印象。それは何故なのか、実際に感情の起伏自体も薄いのか、というのは後述。

ともあれ、霧子もアイドル活動を進めていくうちに豊かな感情表現や自分自身で導きだした目的を手にしていく。

 

 

身につけている包帯や絆創膏は弱気な自分へのお守りみたいなものだとか。


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……文字通りの彼女の ”背負っている傷の証“ なのかもしれない…。

 

 

 

2. 霧子の優しさ


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競争の世界には優しすぎる霧子の性格。女神。

 

経緯は謎だが病院でのお手伝いもずっとしているという霧子(この設定気になりすぎるわ)。そんな霧子の優しい性格は作中でもプロデューサーや他アイドルからも度々言及されるほど。

 


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いやに具体的な名称も出てきたり。

 

 

こちらは共通シナリオより、霧子がお手伝いしている病院の近くでイベント出演した際の話。


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病院の関係者や知り合いの患者さんなどに暖かく迎えられながらイベントに出演する霧子。

だがそのステージの最中、子連れのお客さんの赤ん坊が大きな声で泣き出してしまう。あわやステージ中断かというその時、霧子は──


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貴すぎない?

お貴いとか高貴とかは本来こういう人のためにある言葉だろうってなりません? なるんだよ。なったわ。

これが常設の共通シナリオで毎回見れるの強すぎるでしょ。限定シナリオって言われても疑わんわ。

 

 

 

3. 霧子の献身

 

先の紹介でもその一端が垣間見れたが、霧子はかなり献身性が強い。強すぎる。献身性の強いと書くと異性関係ばかりフィーチャーされがちかもしれないが(特にこういう作品は)、霧子はもっと、まさに万人に対してのそれだ。

そしてそのナイチンゲールの写し絵のような性格描写は、シャニマスにおいてはファンやアイドル仲間に、そして彼女が育ててるお花さんたちにまで向けられる。


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単なるお世話大好きっ子というより、なんというか ”献身の裏にある覚悟“ みたいなものが節々に垣間見れると思うが、皆さんはどう思われるだろうか。少なくとも単なるお世話大好きっ子だったら私はさして注目していない。

そして霧子の献身性の強さは、自らへの評価の低さや虚ろさと表裏一体のようにも受け取られる。

そういや「最近の若年層は元来『反抗期』として表出させていた心中と現実の溝を『ボランティア』という形に代えて表出する様が見受けられる」とかいう記事読んだな。どうしようもない虚無感や自己否定からの脱却を社会奉仕によって行おうとするような、知らんけど。

 

 

 

4.霧子の霊的なスピリチュアル性

 

はい本題。

「プロデューサーさんは……エビさん……ですから……」はまだ自分で見てないので置いておくとして、おそらくその辺りの描写に代表されるであろう、霧子のともすればサイコホラー的とも言えるような霊的、妖的に近い側面。最初にゲーム中で見た霧子コミュも不思議の国に迷いこむ白昼夢のようなサポートカード【霧・霧・奇・譚】だったので最初は「妖の類いみたいな子だな」とか思ったのだが、プロデュースとして覗いてみるとなるほどほんの少しずつ輪郭が浮かんできた。

 

こちらはプロデュースカード【霧・音・燦・燦】の専用コミュより。

仕事の途中で教会の礼拝堂に立ち寄った二人。先に中を覗いてみたプロデューサーの「入りきるまで目を瞑ってて入ってから目を開けるとすごい」という異様にノリノリな行動を実践してみる霧子。礼拝堂に近づくたび瞼を越えて強く射す光。そして目を開けた霧子は──


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誰もいない静かな教会に立った霧子が口にした「音がいっぱい」という感受性や語彙力は妖というよりもまるで幼い子どものそれだ。教会の光を「ずっと前におばあちゃんと見たねぶたのお祭」と重ねるところもさもその時代の記憶を鮮明なまま残しているかのよう。

そこから「とっても綺麗で力強くって」「いろんな人のお祈りとか気持ちが混ざって光ってる」とすらすらと導き出す霧子の回路は本当に尊い。個人的な話、私がずっと失くさないように 失くしたのを取り戻すように必死になっていた ”多感な感受性“ をさも当然のように雫してくれる。ああ言葉が出ない(限界)。


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このイベントの名は『きこえる』。そしてステージで発揮する思い出アピールの名は『光が鳴るから』である。尊すぎか?


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こちらは同カードの専用イベントにおける会話。夜空に浮かぶうさぎ座を見ながら


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おかえりだぞ。


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霧子もいってらっしゃいだぞ。

 

この2つ、1つめはたらっと教会を覗いてきただけだし2つめは星を見てだべってるだけである。それだけでも霧子は単語ではなく中身で豊富な言葉を語り、ふわっとした表現ながら聞き手の心に滲み広がらせてゆく。幸せだな。

 


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雨の日、育てているサボテンさんを急いで屋内に入れるくだり。心配する霧子をなだめるプロデューサーを逆に気遣っての言葉。

俺はいつまでもそんな言葉でものごとを伝えられる人間でいたかったしそんな言葉を語る人とずっと一緒にいたかったよ…(辞世の句)。

 

霧子の霊的な世界は、覗いてみればまるで小さな子どもが口にするシュールな夢のような世界だし、それは児童文学のようにわかりやすく心に語りかけてくるかのよう。そうだろ?

 

 

 

5. 霧子に浮かぶ陰


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霧子のうつろな性格と前面に出すぎているとすら思える献身性は、その実妙な空虚さ、もっと踏み込めば傷の匂いのようなものすらほのめかす。それが何に起因するのか、ただの思い違いか、霧子の背景を私はまだ殆ど知っていない。

 


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包帯の下に隠してきたものもファンのみなさんに見てもらいたいという言葉も出てくる。それ自身は彼女の成長の証明だが、その包帯の下に隠してきたものとは何なのか、何故隠してきたのか?


先にも触れた霧子の感情の起伏という話。霧子は感情が乏しいわけでは決してないというのはこれまででもよく分かるだろう。感情の乏しい人間からこんな豊かな表現は生まれない。

霧子は、想像によるところも入るが、豊かすぎて繊細すぎる心の内を普段表には出さないように隠しているようにも見える。

それこそ、溢れだしてしまわないように包帯の中にくるんで塞いでしまったかのように。「僕の奥に鍵をかけた。痛みとかいろいろ閉じこめた。」とはPlastic Treeの歌詞。

もし、その包帯に閉じこめたものを少しずつ開いていこうとしているのなら、それはなんて素敵なお話だろう。血にまみれた愛だけがそこに云々とはBUCK-TICKの歌詞。

 

 

 

6.霧子とアイドル活動

 

これは霧子がW.I.N.G.本選で敗退した時の会話。


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霧子のいう「誰かに楽しんでもらえれば」の「誰か」とは? 単に抽象的なイメージなのか、それとも具体的な誰かなのかは今は省く。

 

シャニマスというゲームを見ていて一つ鼻についていたのが、あくまでオーディション優勝が目標であること。私はそういう競争めいたもの自体に関心がないので。

だが霧子は、自信に欠ける最初の頃は勿論、W.I.N.G.本選になっても悔しさの表明もそこそこで殆ど勝敗に関心を示さない。持ち前の献身さは、彼女を「誰かを、いや目の前のみんなを楽しませる」ことに没頭させた。自分からすればシャニマスというオーディション物語に対するパーフェクトな回答だった。これがPが「いや大切なのは楽しませることだよ」とか言ってたらはいはいって感じだっただろうが、霧子という人格に裏打ちされたそれは根を張って鋭く、オーディション勝負という枠をハナからはねのけ『遠いところ』まで行けるほど強い力を持っていた。

 

 

尚彼女のポテンシャル


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意欲とポテンシャルの塊である。

 

 

 

7, 空想:霧子とこの世界

 

初めて霧子のプロデュースを終えた夜、ぼーっと考えていたのが「霧子は何故この世の中であそこまで純真なままなのだろう」「霧子はいずれ、(作中ではありえないとしても)世の荒波に揉まれる中でその純真さを失ってしまうのではないか?」「もし霧子がその純真さを失わずに居続けたら、彼女は周囲に何をもたらすのだろう」などということだった。

私からすれば霧子が持っているような純真さなどは本来雪のようにあっというまに溶けていくもので、そうならないだろう霧子を思うとまるで溶けない雪を見てるような気分になる。いつまでも溶けない幻想性、不思議さ、いやもうすぐに溶けてしまうんじゃないかという不安、その美しき。

 

Tourbillonの楽曲『アゲハ』。もう死に絶えようとする世界を見つめながらそれでも果敢に生きようとするアゲハ蝶を描いた歌。

もしこの曲を題材に物語を綴るとしたら、霧子には是非そのまま主役のアゲハ蝶の役を与えたい。例えば他のあの子やこの子だったら自分は蝶の役には振らない。人の世の無情や紛争にきりきり舞う役からあてていくだろう(本来的にはそういう役どころの方が好きになりがち)。

モノクロの世界にほんの小さくもひらひらと色を散らして舞う蝶の役は霧子などによく似合う。ということをしょっぱなからぐるぐる考えたりしたなあ。

 

 

そんなこんなな私の霧子から受けたファーストインパクトをまとめたメモ。7項目。計ざっと7発か。散弾銃かよ。

しかし改めて見せ方が上手よね。ひとつひとつ。病院のお手伝いまわりを敢えてぼかすとか流石に想像してないわ。

 


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この言葉については色々と心に引っかかったが今の私から述べることは不可能なので保留。

 

 

 

それじゃ、いつものやるか灯織。


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幽谷霧子に捧ぐやつ。

 

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いつものフルバーストやめろ

 

 

下は初プロデュースの後勢いでプレイヤーひっくり返して「歌詞はこれだな…」って直感的に選んだの。上のメモを読み返してもまあまあやはりそうかと思うなり。そんなことばっかやってんなこいつ。


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さて、どんどん脱線していくのでいい加減この辺で。草々。


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追記:ようやくTrue End達成しました。文字通り「感じるかい 僕の声    感じてる それは愛」そのままの内容で俺が一番びっくりした。愛だけがそこにある。


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