【2022年】Switch・Steamで遊べるサガシリーズ+α、私なり一挙紹介


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ミンサガリマスター発表からおよそ半年、スイッチが入ったようにロマサガ3リマスターサガフロリマスターサガ3移植版、ラスレムリマスターを挟んでサガスカ緋ロマサガ2リマスター、そしてミンサガリマスターとプレイしてまわった。魔界塔士秘宝伝説の移植版は発売直後に触ったので、現在SwitchやSteamでやれるサガシリーズは全部回ったことになる。そのまとめも兼ねて、愛してやまないサガシリーズから現在Switch・Steam(+PS4,5)で遊べるタイトルをまとめ、紹介とさせていただきたい。

 

またこの1,2年で、先にも上げたラスト レムナント Remastered』及びFINAL FANTASYピクセルリマスター』も遊んだ為、準サガ作品としてそちらも合わせて紹介したい。

……いや「FF1だって河津なんだが?」とか「聖剣LoMもやれ」とか「FF12を河津ゲーと呼ぶかは」とか「Return match……夢を見ているのさ…………ルドラの秘宝や……Racing Lagoon……」とかも考えたのだが、キリがないので準サガ作品という言われが定番となっているその2作に抑えたいと思う。

 

タイトル自体初めて触ったというものは原作版サガ3のみ(DS版はやったけど別ゲーというくらい内容が違うので)。サガシリーズでいまSwitch・Steamや現行PSで遊べないソフト作品はロマサガ1と、サガフロ2アンサガ、そしてDSリメイク版2つか。その5作は除いた紹介となります。あまり点数みたいなのをつけるのは趣味ではないのですが、分かりやすさのために星5つ評価(最大で★★★★★)を完全個人的評価でつけていきます。

では。

 

ホイ!

 

 

 

 

 

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FINAL FANTASY Ⅱ PIXEL REMASTER

イチオシ度:★★★★

スクウェアの原点度:★★★★★

 

Switch・PSでも発売予定らしい。言わずと知れた2作目にして河津秋敏が実質的な主導権を握(ってしま)ったFF。レベルを廃した熟練度システム、相次ぐ状態異常攻撃、ほとんど徒歩移動できる一方でちょっと踏み外せばボコボコに殺されるマップデザイン、キーワードを拾って尋ねるワードシステム、ハードなドラマにつっけんどんすぎるテキスト、弱すぎた古代究極魔法、HPや防御とか関係なく即死させてくるクアールの群れ、歴史に轟く皇帝の断末魔……うーん34年を経てなお濃い。濃いのだ。

なかなか評価の厳しかったピクセルリマスターシリーズ──特に難易度のふにゃふにゃ化についてはかなりの議論を呼んだ一方で、本FF2に関しては進行設計とバトルバランスのつながりが著しいためか比較的旧リメイクくらいの印象を保った設計だったと思う。

そのトリッキーなゲームシステムと渇いたドラマ、自由と苛烈と挑戦意欲を掻き立てられるゲームデザインはまさにサガの前身。一方で『FF』としても2作目がこの作品だったからこそ、めくるめく人間ドラマとバトルシステム、何より前作をまるで無視していく革新主義的な作風への道が開かれていったのだと思う。まさに歴史的超重要作に位置する。

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筆者的には今やっても面白かった、というか前にやった時よりも面白かった。ちょっと違う道を通ってみようかなとか桁違いに強い敵に挑んでみようとか、チャレンジ欲を掻き立てられたのだ。ただやはり人を選ぶ作風ではある(ここに紹介する作品全部そうな気がするけど)。

ピクセルリマスター版というとこで言えば、音楽が前リメイク版よりかなりブラッシュアップされた。前リメイクの方には申し訳ないが「BGMの良さって本当大事なんだな」と改めて思い知らされたところもあるので、FF2に関してはピクセルリマスター版を触ってみてもいいのではと思う。望むならファミコン版準拠モードもつけてほしい(主に原作テキストとアルテマのために)。

 

 

 

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魔界塔士Sa・Ga (from  Sa・Ga COLLECTION)

イチオシ度:★★★★★

ICONOCLASM:★★★★★★

 

記念すべきサガシリーズの1作目にして初の携帯ゲーム機用RPG。楽園があると言われる塔の最上階を目指すという王道プロローグに、オフェンシブすぎるセリフまわしとハードなバトル、成長の仕方がバラバラな人間・エスパー・モンスターの3種類、まさかの荒廃都市東京、そしてドトウのクライマックスが冒険者を待つ。

基本はベタ移植なので原作そのまま……だが、流石に昨今では通りづらい名称は変更されている。分かりやすく言うとライトセーバーとかの名前が変わって原子力発電所プルトニウムもぼかされている。そこはもうしょうがない、あれが物語の核に出てくるからこそずーっと現行機に帰ってこれなかったと思ってるし。なんとか帰ってきただけありがたい。

育て方が分かっていれば6時間やそこらでクリア出来るので、サクッと遊べる伝説のレトロゲーである。

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筆者が初めて魔界塔士をやったのは発売から20年近く後の世になってからだが(奇しくも初サガでもあった)、それでも私はこの魔界塔士の物語が大好きだ。荒らくれまがいの冒険者たちが駆け上がり、荒廃した東京で死んでいった者・生き残った者に触れ、アシュラをダシに稼いでる商売人とアシュラに殺された家族に触れ、そしてアシュラとの戦いの後すべてを弄んでいた神と対面、神をバラバラにし、最後は神が用意した楽園ではなく自分たちが切り開いた世界へと帰る──。簡潔にしてパンキッシュかつ寓話的な物語がそこにあると思う。

情報量や微細で共感型な人間描写などが目立つ時代だからこそ、改めてこのバッサリと斬り開くような物語(もちろん本作もアティテュード一発ではなく細やかな含蓄やアイデアをもって名作たらしめているのだが)に光るものがあるとも思う。自分の中での大事さを含めての★5である。

 

 

 

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Sa・Ga2 秘宝伝説 (from  Sa・Ga COLLECTION)

イチオシ度:★★★★

思えばこの頃から神も一枚岩じゃなかった:★★★★☆

 

前作魔界塔士のシステムを全面的にブラッシュアップし、新たにメカという種族も登場、そしてトータルの体感ボリュームもFF1~3辺りと比べても謙遜ないくらいに増えた。一方でFFにはない独特の疾走感はGB作品のサガか。選り好みはさておき、純粋な完成度で言えば魔界塔士よりもこちらに軍配があがる。

なにかとアングラというか海賊商品っぽかった魔界塔士に比べ、よりポピュラーで少年少女の冒険劇という手触りになったサガ。しかしギリシャ神から江戸町にモビルスーツまでというカオスな世界観や、オフェンシブなテキスト、神々との戦いや対話といった骨子は健在。神々もみんな個性的で一枚岩ではなく、様々な立ち回りで主人公と関わってくる(カイやおおごしょも一応神が由来なんやね)。

「初代ゲームボーイRPGの代表格」としてもよく名前が出される。少し話が逸れるかもしれないが、私は携帯ゲーム機にあった “起動してタイトル画面見たら説明もなく即ゲーム開始。演出も最低限でとにかく遊ぶ部分にボリュームが密集している” 手触り感が今でも好きである。そしてひとついらんことを言うならすべての “他所のゲームとまるで変わりないのに無駄に長いチュートリアルをやらせるやつ” がとても嫌いだ。ともあれ、そんな携帯ゲーム黎明期からの傑作なのである。『Save the world』ビックリするくらい神曲

 

 

 

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時空の覇者 Sa・Ga3 (from  Sa・Ga COLLECTION)

イチオシ度:★★☆

笹井隆司の音楽:★★★★

 

GBサガシリーズのラストにして、ここで紹介する中では唯一河津神が関わっていない作品。そのためか成長システムがレベル制になってたりしているが、いうて肉とネジで種族が変化していくし勝手に技覚えたりするし まあまあサガらしい。

魅力としては、やはりGB初期のRPGにしてタイムトラベルものを取り入れていたところか(それこそクロノトリガーより何年も前)。過去・現在・未来が交錯する物語をGB初期のテンポ感で堪能できる。また、サガ本流とは違ってクトゥルフ神話をシナリオや敵のデザインに取り入れているのも好ポイント。

が、中〜後半で異次元の世界に行ってからは単調な一本道となり、タイムトラベルネタも出てこなくなるので正直一気にダレる。シナリオも後半はぶっちゃけ記憶に残らなかった。なのでトータルでおすすめしたい作品かと言うと……ではある。

一方で笹井隆司・藤岡千尋によるBGMはめちゃくちゃカッコイイ。正直サガ1,2にある数曲の切り札を除けば、GB3作でサガ3の音楽が一番好きだ。ダンジョン曲がどれもギラギラしているのがイイ(DS版もどちゃくそカッコイイ)。DS版、プレミア価格化してるってマジ?

 

 

 

 

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Romancing SaGa 2 リマスター版

イチオシ度:★★★★★

歴史はあなたの歩くままに:★★★★★

 

紛うことなき傑作。閃き、陣形、見切り、装備開発に術開発、そして伝承。打倒七英雄と国力拡大に燃えるバレンヌ帝国と、古より復讐と魔に染まった七英雄の、何百何千年を渡るフリーシナリオRPG

一口にフリーシナリオと言ってもロマサガ1,2,3だけでも大分勝手が違うのだが、ロマサガ2の特色はやはり選択肢や行動によって話の展開そのものが大きく変わるところだろう。操作キャラも次々と代わるし、また毎回思い通りにいくわけでもない。それだけに、何度やっても新しい魅力があったり、逆に譲れないプレイヤーの意思が渦巻いたりしていく一作である。また前作ロマサガ1では自由すぎるが故に終盤までシナリオ的な盛り上がりに欠ける感覚もあったのだが、7体の各地で暴れ回っている七英雄という、“キャラもバトルも濃い連中” との一戦一戦によって申し分ない盛り上がりが確保されている。

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一つ、「味方キャラが穿いて捨てるように入れ替わっていくので愛着を持ちづらい」という意見をたまに見る。事実その通りであるし、その不満に否を返すつもりもない。が、改めてプレイして思ったのが、一見同じように見えるキャラクター達にもそれぞれ個別の名前とバトル特性が用意されているのである。例え記憶に薄くとも、皇帝やパーティに選ばれなくとも、画面に登場しなかろうとも、彼らは皆その歴史のどこかに名前をもって生きていたのだろう。そんなところがまた、このロマサガ2という作品の一つの味なんじゃないかと思う。

 

 

 

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Romancing SaGa 3 リマスター版

イチオシ度:★★☆

四魔貴族バトル:★★★★

 

ロマサガ2で形成したバトルデザインとロマサガ1ゆずりな8人の主人公から選ぶ冒険譚を混ぜ合わせた人気作。スーファミ隆盛期に出たグラフィックと演出、そしてイトケンの覚醒したようなBGMも相まって決定版と言われることも。リマスターの追加要素として少年やサラの過去シナリオ等がそれぞれ追加されていたのもよかった。

……人気作だが、個人的にはヒリヒリしたバトルがあまりないところや、フリーシナリオと言っても物語自体の変化はあまり起きないところから、そこまで気に入っているタイトルでもない。一周でほとんどのシナリオ回れるし。良く言えばアクも少なくとっつきやすいが、悪く言えばあまり突出している印象もないというかな。

だが、イトケンのBGMは氏のベストワークに挙がるくらい良いので、有名なあの曲聴きたいなと思って触ればそれ以外の曲も収穫できるかもしれない。グゥエインのイベント後の『悲しみのテーマ2』とか良いよね、ゲームと物語の中で聴いてこそ映える曲だと思う。

 

 

 

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SaGa Frontier Remastered

イチオシ度:★★★★☆

リマスターの追加量じゃなさすぎる:★★★★★

 

古今東西さまざまな世界観に、大小多彩なスケール感、再び種族ごとにバラバラな成長システム、そして7人(8人)の主人公による十人十色なストーリー。まさに「おもちゃ箱をひっくり返したような」という言葉が相応しい、とりとめもなくオモシロイコトに満ち溢れた一作。GBサガのノリをPSで本気でやりましたな感じが楽しい。

世界観もバラバラなら主人公ごとのシナリオとラスボスも違うので、雑多な世界をさくさくと飛び回っていく感じが気持ちいい。シナリオも、業が深く救いの見えないブルー編、耽美な悪夢にときめくアセルス編、少年とロボットの約束に涙腺が緩むT260G編、いろんな意味でサガフロ流冒険活劇といったクーン編辺りがお気に入り。

一方で主人公が代わる度に同じダンジョンを繰り返し回らなきゃいけないことも多く、原作ではダレを感じてしまう部分もあった。が、リマスターの倍速機能やクリア引継ぎ要素をもって、そこのだるさが一気に解消されたように感じた。

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それ以外にもいくつかのシナリオ追加、更には『ヒューズ編』という名の「各主人公編のダイジェストにヒューズが御用しちまうぞルート」追加──実質2倍に及ぶ周回シナリオの追加、そしてやっぱり引継ぎ強化しまくったプレイヤーへの強化ラスボス達追加という、良い意味で「リマスターって何なんだ???」と思わせる怒涛の追加要素が収められた。

プレイ当時も書いたが、実質14周以上にも渡るプレイにも飽きさせないつくりを、本作が元々有していたということが何よりも凄いと思わされた。一応他の作品とのバランスを考えて★4.5としたが、全然それ以上の評価でも然るべき完成度だと思う。

『開発室』も、原作当時のものとリマスター版スタッフ達がいる新しい開発室とがそれぞれ用意されていて、原作スタッフによる1997年当時の声と2021年リマスターを作った方々の「原作遊んでました……」といった声にそれぞれ触れて回れる。ある意味一番泣ける部分である。

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Romancing SaGa -Minstrel Song- Remastered

イチオシ度:★★★★★

RPGだなあ」ってなる:★★★★★

 

わたしが語る物語を 聞いていきませんか?(Now on sale)。

どこかで何かが起き、そして誰や彼やも動きまわっているマルディアス。いろんなことが発生する奇想天外なバトル。マップアビリティの洗礼。殿下だけじゃない、クセのある台詞が飛び交うボイス。待ち受ける邪神復活の前には、神の試練か 冥府送りか 遥かなる古との対話か。そして、神話の片隅から帰ってきた人……。

イベントの選択肢や分岐に、導かれる結果。主人公の視点と、地図を俯瞰するような感触と、その奥にある歴史や神話や風土に目が届く感覚が交錯する。初プレイの時に「『RPG』ってこういうことなんだろうな」と感じた手触りは今もそのままだ。

チンタラしていて一周目も終わっていないので、実は今それ以上に書けることは特にない (笑)。……『冒険はいつだって想いのままに』、とはサガフロの際のキャッチコピー。以前は「ミンサガの方がこのフレーズだよな」などとも思っていたのだが、今はまたすこし違う受け取りだったりもする。様々な因縁や因果、こちらを突き動かしてくるもの、或いは時間といった限界が降りかかる中で、それでも冒険者には自由があり、そして人々のドラマがある。そんなゲームだと思う。

 

追記

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ようやく初周クリアしたので周辺からの情報を解禁しつつ……。ネットを漁れば初心者向け攻略情報もリマスター追加情報も世界観への考察もぐるぐると飛び回っていて非常に幸福感のある今日。そして改めて、このゲームのシステム・世界観双方における作りの細やかさ、上質さに唸らされる。各キャラクターは勿論、神々の伝説、それを繋ぐ神話や歴史、地理風土の一つ一つが丁寧に、ある種リアリスティックに編み上げられ、ユーザー達は物語の背景やその後を想像し語り合う。強ボスたちに挑んだ攻略情報を提示し合う。私が本作を「スクエニの最高傑作だと思う」と語るのは、そんなところが魅力だったからかな。

 

 

 

 

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THE LAST REMNANT Remastered

イチオシ度:★★★★★

やはり、何かが起きている!:★ (起きていないので)

 

Xbox360→PC→そしてアプリ版や各現行機と、当初の評判がまちまちだったわりに結構こまめにリマスターしてもらえている作品。海外を視野に制作されたというのが功を奏してか海外人気もわりと高いのだとか。

河津氏が総指揮を務めている点、熟練度システムや閃きに近いシステム、というかバトル方面全般のアクの強さ、見覚えのある名前がいろいろ出てくるところなどから「実質サガ」としてよく挙げられる。3Dのリアリスティックなグラで異種族の仲間がたくさん登場するが、河津いわく「3Dで様々な種族を出すのは大変」とのことなので、その点でもかなり貴重な作品となっているかもしれない。

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最大の特色はやはりバトルシステムだろう。最大18人を1~5の部隊に分けてのパーティ編成。相手との距離・位置関係でやれることが変わるコマンドバトル。ドラクエのさくせんばりに漠然とした行動指示。モラル(士気)値で双方のダメージ量が大幅に変動する仕様(同名の数値は他タイトルにもあるが、多分ラスレムが一番デカく変動する)。1回1回やたら強い敵達。そして戦局に応じてバトル中に変化していくカッコイイBGMたち。もうめっちゃくちゃ楽しい。ここに紹介したゲーム群で一番「バトルが楽しい」と実感したタイトルである。マジでこれを継承した作品をもう一回くらい作ってほしい。また、自由に装備を変えられるのは主人公一人だけで、他のキャラはたまに「その武器くれ」とか「あれを取りに行きたい」とか言ってきてそれに応じるかどうかで装備が変更されていく。これもかなり私好み。

 

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シナリオ本筋は「当時のFFの流行り(に河津作品の唐突さが加わったもの)」という感じで、あまり好みではない。サブクエストが豊富でそちらが真の本編とも言えるが、ロマサガ的な分岐や一周で見きれない選択肢みたいなものもあんまりない。が、世界観やその歴史が本編を食うレベルで作り込まれ、遊んでいるうちに節々からその姿が掴めてくるという作風は今作でも健在。ミンサガやサガスカのそういうところにハマった方なら本作もきっとのめり込むだろう。ちなみに物語の主役をイケメン2人が務めているが、そこから先は変なおっさんと異種族しか待っていないゲームです(美女はいます)。

Xbox360当時はテンポの悪さがかなり物議を醸したとのことだが、リマスター版は倍速機能により大幅に改善されている(それでもサガリマスターらに比べるとロードの長さが目立つけど)。……サガフロ2以降の河津ゲー、大体初見でテンポの悪さから叩かれてないか。せ、制作環境が……。ともあれ、豊富にリマスターされ続けるだけはある名作である。

 

 

 

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SaGa SCARLET GRACE 緋色の野望

イチオシ度:★★★★☆

ある意味一番キャラ萌えゲー:★★★★

 

ダンジョンマップはないがフィールドそのものがダンジョンのはたらきをしているマップデザイン。立ち絵による紙芝居方式だが、シリーズぶっちぎりのシナリオ分岐量と、何周かしてようやく世界観の実態とラスボスの意図が見えてくるつくり。そして中盤くらいから全部ボスバトルなんじゃないかというくらい険しくなっていくバトル。改めて俯瞰してもやはりニッチというか、全然薄めてない本気カルピスみたいな存在感を放つシリーズ現最新作。「到達点」という言葉がいろんな面で相応しい。

緋色での大きな追加点はやはり、神話方面の物語をより分かりやすく掴める詩人さんの語りや仮面劇のイベントが加えられたこと。また数名のキャラが仲間になるシナリオが増え、驚愕のエピローグも加えられた。

Vitaの無印の時はやはりロードの長さが物議を醸してしまったが、緋色になって一気にロードが早くなった。話が逸れるけどPS VitaでキチキチだったのがNitendo Switchでサックサクの完全版になってるの、過去の意趣返しめいているというか、せめてFFがそんな目にあってくれというか……。

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「自由度の高さを謳うゲームは、結局みんな最適攻略法しか歩まなくなる」という指摘がたまになされる。それはサガシリーズも例外ではなかっただろう。しかし今作はそんな言説に対する、シナリオ・システム双方からのトンデモ物量による「最適化してみろ」&「最適プレイでこのゲームが語れるか?」と言わんばかりのボリュームや設計で貫かれていると思う。作品総体が一言で表しづらいし、表したところで一つの答えやTrue endなるものも、多分あんまりない。

シナリオでは一緒に旅をしたキャラクターたちに入れ込むところが筆者的には大きく、読む部分で言えばEDでの各パーティメンバーの後日談パートが最もグッときた。そこもまた、一つの物語を押しつけず、しかしそのキャラクターたちが生きている世界観や彼らの後生はしっかり提示されるというつくり故じゃないかと思う。……その後日談の半分近くが、傍目にはグッドエンドとは言い難い一文なところも含めて。

やはり一言で語りきるのが難しい一作だが、それだけに強烈なアクの濃さ、このゲームにしかない魅力が充満している一作。人によってはずっと抜け出せなくなる作品である。

 

 

 

 

まとめに、と言っても何を書こうか。

「イトケンのバトル曲で一番好きなのは『魔術こそ祝福 〜 星神ヴァッハ』です」かな。うーん文字にすればいかにもな選曲。サガスカの曲、音やメロディがハキハキしていてすごいゲーム音楽らしいんだよね。


魔術こそ祝福~星神ヴァッハ - YouTube

追記:ミンサガやってるのでやっぱり『熱情の律動』でもいいすか。曲も使われ方もインパクトもミニオンのキャラも最高です。

 

 

ここ最近つらつらと思い出していたこと。小学生の頃、たまたま親の知り合いの家でFF2とFF5の攻略本を目にして(よりによってその2作!)、FF2の熟練度システムやFF5式ジョブシステムを見て「このゲームめっちゃくちゃやりたい!」とときめいた感覚。もちろんそれより前から天野絵に衝撃を浴びたりチョコボの愛らしさに惹かれたりもしていたが、否、それと同じように『ゲームシステム』にだって「なんだそれ!楽しそう!」と一目で心を掴ませるときめき力があったのだ(シナリオ買いみたいな経験は、その歳の頃にはなかったかな)。

今はRPGのシステム好き=硬派みたいなイメージが勝手に進められているかもしれないが、私は決してそんなことないと思う。それはきっともっと、童心に訴えかけるような『ゲームの楽しさ』であったはずだ。まー自分が硬派ゲーマーだなんて微塵も思ってないが。やりこみとかも殆んどしないし。

 

……河津さんはこれから先も現役でおられるだろうか。まだ再生を遂げていないサガタイトルたちがあるし、宣言している新作サガも私は待っているし、サガとは別の形になるだろうラスレムの後継作も私が勝手に願っている。まだまだキレたゲームたちを世に出し続けてほしいと願う。

加えて、最近の氏のツイートから「ミンサガの神話・歴史本を!」という熱気が上がっている。それも勿論なんだが、私は河津さんのゲームへの思想を纏めた本と、そして河津さんから見たスクウェアスクエニ史も書籍に残してほしいなあと思う(まだまだ表にできない話も多いかもだが)。もしかしなくても、FF1から現在まで、最も中心に近い位置でその時代を創り続けた人なのだから。

 

敬愛してやまない河津作品と サガシリーズ33周年に捧げたいと思います。