帝国暦1503年 皇帝アルゴル(フリーメイジ出身)
発明家ヒラガ19世が開発した自律人形『コッペリア』を受け取り、旅に同行させる。
一説によるとこの人形にも伝承法で皇帝の命を吹き込むことが可能であるとして、人形を皇帝にする計画もあったという……
アルゴル、ルドンにて謀殺される。
元はダンス教室の先生であり、ダンスへの求道の果てに魔術に目覚めたという経歴の持ち主だった。
皇帝タウラス(宮廷魔術師出身)
ロンギットの海で絶え間ない大嵐が発生。皇帝が調査に出向いたところ、なんと二百数十年も前にユリシーズ皇帝に追い詰められ海に沈んだ海賊ギャロンの亡霊だった。タウラス皇帝はこれを成敗し、海の平穏を取り戻す。
1504年
タウラス皇帝、ルドンにて側近一人を殺し、自身も骸となる。
先帝アルゴルの謀殺もタウラスによるものだと語られており、黒い話にばかり名を残す皇帝であった。ルドン高原が皇帝の墓場と語られるようになったのもおそらくタウラスの頃からである。またこの時代の帝国は術の研究に力を注いでおり、相次ぐ謀殺も呪術絡みの行いであったのではないかという説もある。
タウラス皇帝は要務以外では殆ど他者と関わろうとしなかったが、しかしコッペリアには歌の心を覚えさせようと熱心していたという。かつては高い熱意をもった若者であり、地域のヒップホップ大会にも出るほどだった。
皇帝チョウタツ(軍師出身)
火山のあるコムルーン島へ出向き、現地に滞在していた魔術師の力を借りて火山の活動を止める。
この火山が結局噴火したのは帝国解体後の話。
後回しにしすぎたのか噴火イベント起きんかった。くそー。
1505年 氷海にて七英雄スービエを撃破
何の台詞も喋んないルートになっちゃった。スービエイベントは難しい。
七英雄のスービエ。原作では「イベント条件が分かりづらい奴」「空気キャラ」だった。そのおよそ20年後、LoVで「古代人時代はサーファーだった」という全然古代っぽくない設定が追加された。そして舞台版ではオープニングからチャラ男として尺をとり、チャラ男ムードを終始漂わせながらも仲間との絆や恋人との悲恋劇を演じてみせた。スービエ先生のこれからの活躍にご期待ください。
舞台版の平山さんはマジで名演。
「火山の相手なんかそれこそ人形にやらせときゃいいんじゃないか」と言っていたチョウタツ皇帝。民事裁判の傍聴が趣味で、在位中は皇位をいいことに勝手に被告に質問しまくっていた。
また、コッペリアはチョウタツ皇帝退位後にヒラガの子孫のもとに返されたという。その後、もう動かなくなったのかもしれないし、本当の命を授かることのなかった人形は 今もどこかを彷徨い歩いているのかもしれない。
帝国暦1601年 最終皇帝 レオンハルト
600年前にレオン皇帝へ伝承法を伝えた古代人のオアイーブが再び現れ、七英雄の本体が眠っていること、伝承法の限界がきておりおそらくレオンハルトが最後の命になることを伝えたとされる。
傷を癒し復活したクジンシーをもう一度撃破。
軍師大量虐殺未遂事件と聖女アガタ
後に明らかになったことだが、この頃帝内で軍師を大量にルドンに連れ出して皆殺しにする計画が立てられていたという。皇帝は伝説的な術師でもある軍師コウメイを戦地へと同行させたがっていたが、それをよく思わない他の軍師一派から大きな反発や撹乱があり、その連中をまとめて謀殺しようとしたというものだ。だが、結果としてそれは未遂に終わっている。
カンバーランドから来たホーリーオーダー頭首・アガタの存在は皇帝にとって戦場においても日々においても大きかった。最終的には彼女が決戦に同行してコウメイは後陣を任されることになり、コウメイ同行の計画自体がなくなったのだ。
これを「アガタとの愛が無用な虐殺を防いだ」と美談ぽく語る節もあれば、「よう分からん軍師たちの命は一人の女よりも軽かった」と捉える者もいる。なお、決戦の後レオンハルト皇帝は歴史の表舞台を去っており、その後2人がどうなったのかについては確実な話は何も残されていない。
ホーリーオーダーのアガタ、可愛いよね。ビジュアル的には色が違うだけだし好きなの私くらいやろと思ってたら結構人気高いらしくてビックリ。最終皇帝時代に来てくれたのは歴史の運命。
1603年
極東の国ヤウダ、帝国の活動を誹るも七英雄ワグナスに出し抜かれ亡国の危機に。皇帝レオンハルトがこれを救助。
詩人は何を奏でる
ワグナスの待つ浮遊城へ行かんとする皇帝だが、しかしどうすれば天高く浮かぶ城に辿り着けるのか。旅の詩人が、チカパ山でイーリス族という翼の生えた者たちに歌を聴かせたという話を聞いた皇帝。その詩人を追い、そして追う先々で詩人の落とした楽器を拾っていく。
詩人のギターは北東の火山島コムルーンに。詩人のコンゴはサバンナのモールの穴に。詩人のフルートは南西のナゼールにある未開の洞窟に。詩人のファゴットは300年前にユリシーズ皇帝が見つけたものが帝国庫に。そしてようやくアバロンの宿で詩人に会えるとうかがったが詩人は慌てて飛び出していってしまい、置き忘れていったホルンが皇帝の手元に。
地図を越え時を越えて詩人が置いていった楽器たちで、皇帝たちはチカパの山に音楽を奏でる。
私の旅が始まる伝説は始まる by Nobuo Uematsu - YouTube
少し遡って、皇帝がアバロンに一時帰還していた時のこと。
アリの逆襲 突如アバロンを襲ったタームの大量発生、住民たちが次々とタームに喰われていく大事件。なんと遥か440年前にジュディ皇帝が討伐した際、卵を一つ引っつけられており、そこから地下で力を蓄え続けいま帝国に襲いかかってきたというのだ。文字通りの死闘の末、皇帝はこれを討伐した。
帝国暦1604年 ワグナスとの戦い
何故かワグナスが皇帝を地上まで送り返していたという都市伝説があるが、定かではない。皇帝が2度にわたって浮遊城へ向かった記録が残っているのは確かである。
第2形態ワグナス in 炎の壁作り忘れプレイ。正直ラストバトルよりずっとキツかった。殺意溢れるダメージしか飛んでこない。3時間くらい挑みまくってたという。
ワグナス!いきなり熱く語るぞ!
ロマサガシリーズにおける大好きなキャラ、ワグナス。七英雄のリーダーであり、小林智美が生み出した櫻井敦司その1。ゲーム本編では先の「楽しんでいただけたかな?」のやりとりや、ラスダンで待ち構えている際の「七英雄は最強。その中でもワグナスが最強なのだ。」などの台詞から豪胆なリーダーさが窺える。かのコミックス版や舞台版、他の作品群では「人間時代は真面目な貴人だった」という趣が強いが、やはり私の中のワグナス像は「豪傑でシャレも効くリーダー」「ガワは敦司だけど中身はX時代のYOSHIKI(※上流音楽家みたいになる前、いろんな意味でキレモノな大将だった頃の彼)」という印象である(ちなみに精神面が櫻井敦司チックなのはフロ2のギュスターヴだと思う)。
河津的にはジョジョのカーズがモデルだったのではないかとも言われている。余談ですが筆者はジョジョでもカーズ様が多分一番好きです。
あと、私はこの時代のいわゆる「さあ回復してやろう系敵キャラ」というのが嫌いだ。スポーツ感覚臭がぬぐえないし、そんなものが誠意だとは思えないから。ワグナスとの伝説のやりとり「→ もう帰る」は、それへのアンサーのようでありつつワグナスがちゃんと下まで送ってくれるというシュールな笑いを届けてくれる。おふざけが分かるリーダー、頼もしいぜ。
最後に、ワグナスのおっぱい鳥人間な容姿について。七英雄の同化の法は「モンスターの力を吸収するが、使用者の思考や外見も吸収したモンスターに近づいてしまう」というものだが、ワグナスは天使族ばかり喰っていたためあのような容姿に行き着いた。天使趣味の極致。そしてLoVでの設定によると、同化しまくった現在は「天空より見下ろす神に」なるのが夢らしい。これも にんげんをやめたえいゆうの サガ か....
それでは一曲。BUCK-TICKで、『悪の華 -2015 MIX-』。
あまりに壮絶な戦いであり、程なくしてレオンハルト皇帝とアガタを除く3人の戦士は命を落としてしまう。地上に降りた時には既に瀕死だった彼らの遺体もまた、ルドンを経由してアバロンに運ばれた。後年、ルドンには3戦士の雄姿と最期を刻んだ石碑が建てられた。この記にルドン高原の名が登場するのは彼らで最後となる。
帝国暦1607年
チカパ山よりさらに東にある古代人の村落を訪れる。
“かつて現在の「人間」とは違う種の「古代人」とされるものがいた。そして七英雄の活躍とその直後の異世界追放があり、殆どの古代人もまた別の異世界へ去っていった。そして、帰ってきた七英雄は古代人への復讐と、モンスターを使役しての台頭に明け暮れている” という認識がまとまっていく。この村の古代人たちが未だ残っている理由、またバレンヌ帝国に伝承法を伝えた理由については諸説あるが、結果論ではあるが帝国600年の力を借りずには七英雄打倒は難しかっただろう。
首都アバロンに新市街建設。広範な種族や人々を招き入れた新市外となる。
遥か南方、七英雄の本体が眠る根城に挑み、本体を守るノエルを撃破。最終決戦へ。
ここでセーブしたら詰む〜とかいうのが語り草になってるけど、いや引き帰せないってわざわざ表示出るのに単一セーブする方がおかしいやろ、といつも思う。まあ時代ということで……
兄ノエルとワグナスを追いかけてきたロックブーケ……ワグナスらと志を共にし続けたスービエ……ワグナスとともに人々のために戦うことを決意したノエル……強さを追い求めていたダンターグ……最初にノエルと立ち上がったリーダーのワグナス……自身の才覚を証明したかったボクオーン……しょうもないクジンシー……
数多くの悪しき魔物を倒し世界を救い、その後いずこかへ消えた‥‥ いつの日か、彼らは戻ってきて再び世界を救うのだという‥‥
七英雄戦はやっぱり緊張する……正直今となっては真サルやファイブリの方が強いっしょとも思うのだが、やはり「7人分の対策を完備しなきゃいけない」という気持ちが緊張を加速させる面もあるのだろう。
以前、私はマリオネット→全体術味方撃ちに敗けてラピッドストリームで倒してしまったので、今回はラピッド禁止(+コウメイなし)を課して挑んだ。幸いにも前衛3人を剣技で統一していたので、マリオネットされてもソードバリアが実質無効にしてくれた。ラピッドしかまともな対策ないと思ってたがなるほどそういうのもあるのか(ギャラクシィ班がくらってたら即全滅してた)。ロマサガ2は奥が深い。
最終皇帝の英断とも語られるが、無理な領地化などによる反発や諸問題も長年強まっての終結だったのだろう。七英雄がモンスターを倒したら七英雄自身が脅威とみなされたように、帝国もまた七英雄が地図から姿を消すごとに人々の脅威の対象となっていた、のかもしれない。
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1607年、幕。そんなもんだっけ? 大体2000年くらいが通常の目処だったかと思う。最長はご存じ4017年。
後半はミンサガリマスター発売というリミットに追われて急ぎ足になってしまい、あまりベストワークと言える歩みには出来なかったかもしれない。コッペリアを皇帝にさせれなかったし、火山噴火も起きなかったし。でも “そうならなかった物語” が代わりに生まれたんだなあと今は思う。
ED、以前はさらっと見ていた気がするが今回はやたら目が熱くなってしまった。七英雄の最期、見届け立ち去る皇帝、詩人のくだり、最後の会話……。私も歳をとったのかもしれないし、単純に作品への愛着の差かもしれないし、こんなものをひそひそと書いていたおかげだったのかもしれない。
近年、RPGの自由度が広まったり狭まったりしている中で、改めて「あの時代のロマサガの “自由度” とは何だったのだろう」という話が取り上げられる。私は、ロマサガやサガスカにおける自由度とは「取り返しのつかない選択肢」だと思う。カンバーランドを未然に守るのか、モンスターの巣窟にしてしまうのか……火山はどうする? ガラハドは、ウルピナの未来は、次の皇帝に指名されるのは……。「選ぶ自由」と「届く可能性」があり、その影に「選ばれなかった物語」と「届かなかった結末」が聳え立つ。だからこそ、ユーザーは繰り返し物語に乗り込み、様々な前回とは違う旅路を重ね、見果てぬ冒険に暮れていく……いやそもそもすべてを見ることが目的ではなく、手の届かないものがたくさんあるからこそ、それでも自分が歩みたい物語を導き出すのだろう。そんな大風呂敷を用意せしめてしまった河津の まさに神の業かな。
大傑作は歴史を超えてもやはり大傑作だった。