2022.8.26, 27 LUNA SEA 復活祭

 

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2022年2月、RYUICHIの声帯にできた静脈瘤の除去手術を行うため、ツアー貫徹をもってLUNA SEA活動休止。

2022年8月26,27日 LUNA SEA 復活祭。

 

 

 

 

 

Day1  Silky Voice

 

開始。入場SEもなく、静けさの中を一人RYUICHIがステージ中央へと歩いてくる。(やっぱTime Has Comeのあの型やろなあ)と思っていた矢先、マイクを前にしたRYUICHIから

 

『 I wish for…  こんな夜には I wish for…  夢みて 』

 

『WISH』……! アカペラでバラード調に歌うRYUICHIの歌声は、術後の生放送で聴いた歌声よりもずっとしなやかに響いている。そして2つ目のサビの辺りまで歌ったところで真矢のカウントが鳴り、

「 I wish…! 」

かくしてRYUICHILUNA SEAは帰ってきた。これ以上ない再来の曲に乗せて。ついでに銀テープも復活した(アリーナの方々は終わるまでずっと銀テ持ってたのだろうか)。開幕1曲目のWISHはFINAL ACT以来だそうな。ていうか後半のコーラス部分がないIMAGE仕様、聴く機会あるんだな。

 

 

『PROMISE』。ギターの音がザクザク走っている。原曲はもっとマイルドだったけど、これが本来の姿かな。

 

そして3曲目が『TWICE』。ウッソだろ!ってなった。この曲が約半年で2度も聴けるなんてことあんのか。手術直前テイクへのリベンジもありつつ、かな。RYUの歌声は総じて以前と同じではないが、大人びた靭やかさと軽快さの中で安定している。下手寄りの席だったんだけどTWICEの時はSUGI側で聴きたかったなー。

 

久々の『MARIA』を挟み、今度は『RECALL』。なんだこのセトリは。スレ限でも中々やらんぞ。

RECALL大好き。gravityのプロトタイプとよく言われるけど個人的には小型MOTHERかなとか思う。というかLUNA SEACocteau Twinsかな。ああ昇天。

INO側の席だったので「あのノリノリでギター弾いてるヤングみたいな人が無口な夢幻少女だった頃に書いた曲なんだよな……」とか思いながら彼を見ていた。人生は小説よりLUNATICなり。

 

『SHINE』、また改めて歌い方が変わった印象。一時期はAURORAより低音みたいなクールボイスしてたけど、今回は年輪に裏づけられたような落ち着きと軽さに。一つの完成形なんじゃないか。RYU語による変な合いの手も健在で何より。

 

そして前半部ラストは『absorb』。まさに吸い込まれる。どう言ったらいいか分からないが「この曲に武道館は狭い!」となった。それはキャパと音が釣り合っていないということではなくて、むしろ武道館内をギチギチに音で圧迫してしまうような心地よさ。たまらんね。

『A WILL』曲をようやく復活させたこと自体嬉しいけどこの曲はやっぱり人気高いんだなー。REBOOT直後のテンションの高さと空間芸を両立させてるような一曲。

 

休憩 -crash to create-。まさにSilkyなコンセプト選曲による前半部だった。いやー全編丸々SilkyでもアリだったしLUNA SEAのセトリに求められてたのは多分こういうのなんだよね。

 

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休憩後は初手『ROSIER』からの『Dejavu』。王道の回帰。Dejavuの第一声から歌詞間違えてていつもどおりの安心感といつも以上の衝撃があった。多分人生で一番歌ってる曲だろ!

 

『IN SILENCE』。このセトリならやってくれると信じてた名曲。恐るべき俺得セトリ。

 

終盤にはまさかの『BLUE TRANSPARENCY』。これがLUNA SEAの復活じゃいという覇気を感じる。いやインディーズ時代曲でも特にボーカルが忙しそうな曲なので「本気か!?」とハラハラもしたが、完全本領ではないにしろ彼はやりきってしまった。RYUICHI、あなたは神だ。

ヒャアー唱法一歩手前みたいなやつ、好きなんですよね(ビヨンのHEAVENラストのあれみたいな)。

 

そして本編ラストは『BELIEVE』。この8.26,27という日程は29年前の初武道館の日と重ねたということだが、その時の本編ラストも当時新曲だったこの曲だったとか。ニクい。

 

 

 

 

アンコールにて。芸人の方のかまいたち率いるGACHI SEAから『TRUE BLUE』と、まさかの『ROSIER』セッション。千鳥の番組でやった最初のネタを思い出しますね……あれが一年前くらい?

実際、休止直後にかまいたちが番組でLUNA SEA応援企画やった時は盛り上がったし、笑いとしても熱意としてもクオリティ高かったし、私からしても感謝の気持ちが大きいからね。そこまでやったのは彼らだけだし。楽しかったです。

 

 

その後『IN MY DREAM』を挟んで、最後は『I for you』。

自分が今までに聴いてきたI for youで今日が一番良かった気がした。それは勿論熟されたクオリティもあるけど、今回のライヴと「Silky Voice」のコンセプトに一番ハマってるのかな、とも。本曲は「傷だらけのラブ・ソング」を地で行くようなロックバラード。それに相応しい曲順やコンセプトの妙であったり、RYUICHIはじめメンバーから伝わる最高出力の熱量であったり。

MOONやI for youは上手すぎて余裕を感じるのも違うよなとも思ってるし、やはりこういうタイミングでこそ輝く曲なのかもしれない。

 

 

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Day2  Naked Voice

 

本日も入場SEはなく、しかし真矢のドラムが既に暴れはじめているので「まさかFATEでフルアクセルなのか」と思っていたら、『a Vision』。もう誰が予想できるねん。あの様式美に拘るLUNA SEAがここまで変則的なスタートを……。

そして『TONIGHT』。RYUの声が昨日より更に若々しい。

 

『Sweetest Coma Again』、まさかのアルバムLUNACYラッシュ。より低くセクシーでクールに。そこに「きゃもんきゃも〜ん!」どころではなく何て言ってるのか分からないRYU語の数々が炸裂する。

 

『The End of the Dream』とオフェンシヴなナンバーが続き、『宇宙の詩』。こんな喉を酷使しそうなセトリ大丈夫なのかと思っていた私は、この後に控えている曲目をまだ知らない。

 

『闇火』。LUVの頃は全然ライヴに行けなくてこの曲も今回初めて聴くことになったんだけど、凄い、という言葉も生温い。壮絶。

声の限界とも戦うかのようにどんどんボルテージを上げていくRYUICHIの、最終部はもう全身でのたうつような絶唱。1日目は「まさに復活!神!」なんて言ってたが、2日目のこの曲の時は密教チックな楽曲と相まってもう「此の世ならざる者を憑かせている」ような驚異。

 

その戦慄も収まらぬ中、次に来る曲が『CIVILIZE』。マジでいつ以来なんだ。

そして、『HURT』。宇宙の詩から、いやスタートからずっと「たとえ術後じゃなくたってそれは大変だろ」みたいな曲目が続いていく。目の前で限界と抗している。この曲が持つ「寒々しいほどの高熱度」な空気をもって、前半部終了。

 

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休憩明けスタートは『LUCA』。宇宙を廻るように蘇るCROSSツアーの景色。コロナ禍で育てられただけあって振りとクラップで会場が統一されていく。

からの『JESUS』。この2曲の流れいいな。LUCAの宇宙的楽園みから 神に渇望する少年のシーンに移る感じ。なんじゃそりゃ。なんだかストーリー性があるなあってことで。「Jesus、全ての嘘を消して欲しい」。

 

『END OF SORROW』、マジでいつぶりなんだ。いつメンだと思ってたのに全然姿見せなくなった奴がケロっと戻ってきた時、人は悲しみを知り心からの愛を知る。

 

『SANDY TIME』! 嬉しすぎて心の中で叫んでた。RAINもそうだけどこの辺の “渇いた湿気” みたいな曲大好きなんですよ。くそなが間奏部聴けるかと思ったら今回は割愛。スマートなような、ちょっと勿体ないような。

 

『IN FUTURE』 一時期より早くない? 途中のSUGIが演奏止める部分でSUGIがメンバー一人一人にキスしていった(Jの時だけくっそ沸いてた)。真矢のツーバスタイム鮮やかすぎて最高。

 

その後はDejavu→ROSIERの宝刀コンビで本編締め。ラストROSIERってなんだかんだ珍しくないか、そうでもないか。

INOのサブボーカルっぷりがどんどん板についてきてるなあと思う。艶と美声のRYUに対する荒涼としたINOボーカルは丁度櫻井&今井みたいなバランスの良さがあるよね。SANE -type Ⅱ-みたいな曲やるのもアリか、Jが悔しがりそうだから却下かな (笑)。

 

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アンコール恒例となったスマホライトの星空に包まれての、I for you。

 

メンバー紹介。RYUICHI「最初、自分の声が戻るのかなってことばっかり考えてたけど、そうじゃなくて、もっと進化して強くなるので」「過去の自分を取り戻すのではなくて、超えた先に向かっていきたい」という話が印象的。そんな想いも込めての「A NEW VOICE」というタイトルだったのだろう。話が逸れちゃうけど昨今のコロナ禍のライヴ談義もそうだと思うんだよね。元に戻ろうとするばかりじゃなくて、この状況下で得たものや開けたこともまた沢山あるという風にもとれるんじゃないのかなって感じてて。勝手な物言いかもしんないけど。

またメンバーからは約30年前の初武道館から振り返ってとか、今の時代のこととか。

 

2日目のアンコールにはやっぱり、ラストを駆け抜けるようなフルサイズver.『WISH』。

そしてオーラス、『UP TO YOU』。

 

「 強く感じて  強く抱きしめて これから始まる時を

  胸に抱いて 夢に描いて 始まりの鐘が鳴るよ

  夢を見続けて 走り続けた

  夢を見続けて 終わりはないから

 

……この曲が生まれた98年のLUNA SEAより、今の方がよっぽど沁み入るフレーズなんじゃないかと思う。それはLUNA SEAが芯は変わらず今日まで歩んできたからであり。またお世辞じゃなくこの2日間でこれからへの期待でいっぱいにしてくれたからであり。楽曲の響きと相まってあーいまロックバンドに触れているんだなあって気持ちになったり。

一つ感傷的なことを言うと、最後の追加パートの時にずっと腕をステージの方へ伸ばしてた。この半年間のRYUICHIへの想いとか、人生の半分以上をLUNA SEAと絡めてきたこととか、全部ここで送らなきゃだめだって気がして。いや送るも何も腕伸ばしてただけなんだけど (笑)。

 

 

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ルナフェスぶりくらいに歴史や伝説が更新される感じがビシビシに伝わってくるライヴだった。セトリのケバさやRYUICHIの復活という節目に際してというのもあるだろうが、やはり「元の歌声に戻せるかではなく、この歌声で前よりもっと進んでいく」を体現しきった公演になったからだとも思う。

それは数字や曲目では語りきれないような部分でもあるんだろうけども。

そして今更になるけど、手術からたった半年で復活ということ自体が挑戦だったろうにそこに置きにいく内容じゃないんよ。長生きしてほしい。

あと、セトリの良さは転じて言えば今までどれだけの名曲を飼い殺してたかってことだよね (笑)。まだまだあるでしょ。RayとFALLOUTとTHE ONEもやってくれないと満足しないぜ!(強欲)

with love.

 

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なげえSANDY TIME聴きにいくか〜〜