画流しメモ:オフィーリア

 


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Arthur Hughes(アーサー・ヒューズ)

1831年1月27日 - 1915年12月23日。イギリス。

ラファエル前派的な画風だが、ラファエル前派のメンバーではない。愛や美の儚さと直面した恋人たちを好んで描いていた云々。

 

オフィーリアと言えばやはりミレイのイメージが強いが上の画は ん!? となった。惹かれる表情。

 

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人の内面を描いていたというが、とにかく表情が印象的。ともすれば漫画チック。


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「この姫の顔の何という美しさ、神よ、亡き姫の霊に慈悲を垂れたまえ、シャロットの姫君に」

 

 

 

 

オフィーリアに戻って、Sir John Everett Millais(ミレイ)の有名なやつ

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(ラファエル前派は)世紀末の頽廃的な芸術傾向にのって、悲劇的な死を好んでとりあげた。その背景にはしかし、多分に社会的な思想がある。というのも、世紀末の芸術運動には、産業革命による急速な近代化への反発が込められているからだ。(…)

機械化によって、人間は歯車のようなただの部品となりかねない。ならば世紀末芸術運動は、人間の感情や内面性をクローズアップしようとする。同運動の中心的存在である象徴主義は、そうした理念によって生まれたものだ。

 

ラファエル前派は悲劇の少女オフィーリアを数多く採りあげた。人間の表情を描くのにさえ規範があった古典主義から脱却して、各々が思い描く「人間らしい表情」を表現するのに、悲しみと狂気に包まれたオフィーリアの死はうってつけの題材だったのだ。

『美少女美術史』より

 

 


BUCK-TICK / Tour No 0 / Ophelia - YouTube

『Ophelia』

 

 

 

 

 

 

Jules Joseph Lefebvre(ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル)のオフィーリアも印象的。

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パッと見あら凛としてるじゃんとなるが、やはり目元とか見てると危うそうに見えてくる。探偵アニメに登場した場合に生き延びれるかは微妙なところだ。

 

 

 

「オフィーリアは人間らしい表情を表現するのにうってつけだった」という話、七草にちかや美樹さやかが登場した時一気にそういう絵が乱出した現象とだいたい同じだよな、とか思ってたらこちらのイラストを思い出したり。美樹さやか

http://www7.plala.or.jp/bakaira/Gallery/no111.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

中澤瞳さんという好きな女優さんの近況

 


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あるよね、普通に一般社会に溶けこんでるようだけどゴシックの人だろ!みたいな感触。その流れで何だが三船美優のカバーリクエスト投稿しました。

 

画流しメモ:Laura makabresku(ラウラ・マカブレスク)

 

SNSなんかでいろんな画家や写真家の方のピクチャを眺めているのだが、結局いつも垂れ流してるだけでまともにインプットできてないのを改善したいので、雑な状態でもここに残すようにしていきたい。

(前もそんなことやってたよな?)

 

 

 

 

 

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Laura Makabresku

ポーランドのビジュアルアーティスト兼写真家。1987年生まれ。

頻繁に神話やおとぎ話をフィーチャーしている。

 

 

 

インスタ

https://instagram.com/lauramakabresku?igshid=YmMyMTA2M2Y=

ホームページ 一応R18

https://lauramakabresku.com/

 

 

 

 


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良いなっつうかありがたいなって思うのが、数多の作品覧を覗いてる中で「いやもうここまでと違う色が見たいんだよね」って思っても案外それにかなう作品があるし、そのどれもがきっと同じ趣味だなあってのが揃ってること。

 


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他 多数

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

最近読んでる本。ちまちま読んでるけどあまりにちまちますぎたのでテンポ上げる。

 

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この本経由のものも出てくると思う。

 

2022.5.15 バンナムフェス2nd Days2現地参加総括 〜オタクフェスにおけるLUNA SEAは外タレだった〜


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貴教がメイクスしたレボリューションみたいなフェスだった。

 

いや先に「行って良かったよ」って言わないと。

この手のオタクのライヴに行くの初めてだったのもあるし、大本命LUNA SEAについても色々思うところあったので。

 

 

 

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先4月末、バンナムフェスにSUGIZOINORANが出演するらしいとの報が遅れて流れてくる。それから当日にかけて2人やLUNA SEA側からの告知はほぼなし(だったと思う)。

嫌な予感はしたけど、それでもLUNA SEAの名前かつSUGIZOINORANの出番だし、あの西川と共演する確信もあったし、良くも悪くも超レアなやつが見れるのではと察したので自分も行く決意に。

 


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当日現地、アウェー感はおろかそもそも販売パンフにもLUNA SEAや2人の名前がない。マジで日程間違えたのかと思った。物販に2人のソロ作品があったので安心した。INORANの最新アルバム買った。

 

その後、フェスの終盤に突然登場し、原曲同期で『THE BEYOND』の一曲だけを披露。他出演者が最低3曲は披露してMCタイムもふんだんに盛り込んでいる中、一曲だけやって突風のように去っていった。

 

 

 

──ここからは完全に私の邪推だが、多分メンバーの療養が決定した時点で一度完全に出演を断っていたんじゃないかと思う。LUNA SEAの信条として「バンドメンバー不在だけどバンド・テイクそのままやります」は本来やらないだろう。以前某フェスにRYU・SUGI・INOの3人で出た際にはそれ用のアレンジver.を披露してたなあ、そのフェスの趣旨に合わせたというのもあったろうけど。しかし今回はあれやこれやな事情で無理矢理にでも原曲を披露することになったと。

というか、スペシャルゲストと称してのこのLUNA SEAサイドの告知のなさと パンフから消えてるスーパー余所余所しさはもう正直一悶着あったなという気しかしない。

結果として、言ってしまえば今日の2人は「音楽特番で一曲だけやりに来た外タレみたいな空気」(爆笑)。

 

だがしかし、2人の出演の後にはあの西川貴教が控えていたのだ。しかも西川の後ろでドラムを叩いておられるのは「LUNA SEA実弟」とも言えるオレンジ髪のあの男。「ここで終わるわけないだろう……」という確信と切望があった。そしてそれは、最後の最後に大爆発する。

 

 

 

 


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以下、フェス全体を追っての感想


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トップバッターにシャニマス。シャニの現地も今回が初となった。いや殆どの組が初か。

信頼の『OH MY GOD』。山根さんうっまい。2階席でもバキバキ踊ってるのが見える。

ストレイ。ストレイなのでしっかり音聴こうと集中したら回りが一斉にクラップはじめた。よく聴こえなかった。

シャニではイルミネのパートが最も自分の気持ちが集中していたと思う。近藤玲奈さんの存在も大きいだろうけど。イルミネが一番曲調として涙腺を狙ってるのかなってこの日やっと気づいた。

ユニットパートのラストはアンティーカ。トリ。新5人体制。この流れだとラスボス感あったかな。

『Dye the sky.』はパイロの使い方が謎だった。

 

ルカ(川口さん)の扱いに思うところないわけはない。

 

この辺からもう既にまわりの客が声出しはじめてて、ええ……ってなった。進行MCも「どよめいてましたね」「後ろの席がひゃーwって」とか言って拾ったり。そんな感じなのか……

 

 

 

テイルズ枠で感覚ピエロ出演。やはり生バンドは良い。音も鳴りも勿論だが、やっぱり一つ一つの音に人格があり奏者の姿があるというのが心地いい。最後のSideMとの生バンセッションは、どちらのフリークでもないけど「やっぱフェスはこういうのがないとな!」ってなった。

虹ヶ咲学園。いきなり音響が良くなった。音作りはラブライブが全体的に優秀だと思った。最初の2曲カッコよかったな。

『VOY@GER』初めて聴いたけどカッコよかった(履修意思のなさ)。いや確かなんかのライヴの帰りに発表してて全然そのチャンネルの時じゃなかったんよあれ……

DEEN。ここまででぶっちぎりに音がいい。ドームに音が響く響く。

 

 

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Aqours

 

もちろん初見だけど、一番「純粋攻撃力でねじ伏せてやる」みたいな意気込みを感じるチームだった。感想を追ってみてもそんな感じ。

アイマス側はよくも悪くもホームグラウンド・主催側って感じを受けるステージ群だったが、Aqoursのステージは完全に「アウェーチームが牙剥き出しでMVP奪いにいくためにやるやつ」。ハングリー。いやそりゃ支持されるわと思ったよ。

と言うと「アイマスラブライブの対立みたいなの止めてください!」と言われそうだが、だが一方でフェスって本来そういうもんじゃないの、とも。自分こそが爪痕を残すという。ともかく全部持ってく気満々だったのはそうとしか言いようがなかったろうし、その皮膚感をスルーしちゃう方が失礼だとも私は思う。

 

後で色々見てみたら結構フェス出演記録の多いチームだそうなので、純粋に現場経験故なのだろう。絶対に他所に行けば「萌えアニメの連中が何しに来たんだ」みたいな目で見られてきただろうし。文字通り戦ってきた場数があるのではないか。

トークタイムでの「セトリは自分達で考えました」「でしょうね (笑)。大人が介在してない感じのセトリだった」というくだりも象徴的。それ系のチームでは間違いなく一番輝いてた。Aqours、何から触れたらいいんすか?

 

 

この辺から客もどんどん普通に声出してる人らが増えてきた。野郎の雄叫びなんて気持ちの良いものではない。

 

 


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いくつかの演目を終えて、大トリは西川貴教

上手いのは言うまでもなく、曲もトークもそらオタクの場でもアガるわという熱さ。いや言い方に語弊があるかもしんないけど広くに届かせる業というのはセンスとパワーの賜物ですよ。

淳士(ex.SIAM SHADE)のドラムはTMRのエレクトロな楽曲にハマるように叩いていて(『羽虫のように』とかでのアニイみたいな)、打ち込みや同期で流す組と生バンド組の分離が目立った本フェスの総締めを司るかのよう。タイトながら強靭さのあるリズムがこちらにまで届いてくる。

 

西川ちゃん達流石だね。でもまだ帰らないでくれ……もう一つ、もう一つ今日やることがあるだろう……

そんな思いで聴いていた演奏を終え、2回目のMCタイム。

西川「あまり喋らないで次に行きたいんですけれども、(機材が)トラブってます」

到来を確信した。

 

 

 

 

 

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機材トラブルで出番を確信させるギタープレイヤー達がいるらしい。途中参加は大変なんだよ!

最後の最後にやってくれた。これを見にきたと言っても過言ではない。『THE BEYOND』では献身的に同期と調律していたギタリスト達がここぞとばかりに動く動く。ていうか最後にメインディッシュに添うようにステージに出てんのやっぱり外タレのノリだろ!

というわけで、爆発するSUGIZOINORAN、そして西川達を目にし最後の最後に大満足して私は帰ったのでした。

 

 

 

 

 

 

行く前は「LUNA SEAの名前出ちゃってんだけど、これ行くかあ……?」と懐疑的だったけど、終わってみると、というか傍から見返すと「お前が行くためみたいなフェスだろ」な内容だった気もする。まあこうでもならないと結局アイマスのライヴ行かなかっただろっつう。

ともあれいろんな意味で「この手のコンテンツの輪にこいつらをぶつけるとこうなります」の究極的な実践を示してしまったようなフェスだった。

 

そもそも何でそんなフェスになったんだ? というところも含めて自分なりに総括すると、

内輪から地盤を固めるように進んできたであろうコンテンツアイマスら)と

外野と戦ってきた匂いのするコンテンツAqours)と

外野の極致みたいなSUGIZO&INORANが混在していて、

その全部を西川貴教が見事にまとめ上げちゃったみたいな内容だった。ひたすらに西川が凄い。「Takanori Makes Revolution」は伊達ではなかった。

その全てが今後どういう方向に進んでいくのかは、それはこれからの話。

 

 

そう言えば初アイマスライヴだったわけだが担当の活躍で泣いたりは結局しなかった。いやLUNA SEAという生涯の担当の存在に振り回されたのか。結局私にはオタクの素養なんてなかったのだ。

飽きっぽくて薄情なこんな私が、本当に十数年一度足りとも離れていないのはもうLUNA SEABUCK-TICKだけなんだなあと最近とに思う。

 

 

 

あと最後にやっぱり

LUNA SEAは5人揃ってはじめてLUNA SEAなので関係者各位そこのところよろしくお願いします。

 

母の日なのでLong Distance Callを聴こう

 

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Long Distance Call - Buck-Tick (English Sub) - YouTube

 

作詞:櫻井敦司

作曲:今井寿

編曲:BUCK-TICK

 

 

 

 

「聞こえる 聞こえるかい もう眠っていたんだね

 聞こえる 聞こえるよ ごめんよ起したね

 

 

 そう 大事な話なんだ 

 笑い話かも 

 ああ・・・

 

 

 

 聞こえる 聞こえるかい もう少しこのままで

 聞こえる 聞こえるよ ありがとう聞いてくれて

 

 もう しばらく会えないんだ 

 おやすみ言うよ

 この電話 最後に それじゃ・・・

 

 

 愛しているよMama

 他には何も無いさ

 愛してる 愛してる 

 他に何も

 愛しているよMama 

 もう上手く話せないよ

 愛してる 愛してる 

 他に何も

 

 

 

 

 もう しばらく会えないんだ 

 おやすみだけを

 この電話 最後に 

 じゃあね・・・

 

 

 愛しているよMama

 他には何も無いさ

 愛してる 愛してる 

 他に何も

 愛しているよMama 

 もう上手く聞き取れないよ

 愛してる 愛してる

 他に何も

 

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 心が壊れてく 

 誰かを傷つけにいく

 止まらない 止まらない 

 俺はいくよ

 

 愛しているよMama 

 もう上手く話せないよ

 愛してる 愛してる 

 他に何も・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハレルヤ ラ ミゼラブル世界

 

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hide - MISERY - YouTube

 

MISERYって、「月に座っているピエロが、こちらを連れていこうと呼んでいる」なイメージをギター・ロック・サウンド120%で描いてるみたいな感じの曲じゃないですか?

なんじゃそら

 

まあそんな、独特なイメージがずっとある曲だということです。ポジティブにメランコリックなメロディがザックザクなギターサウンドと共存して。色褪せないカラーリングだよねっていうお話。

 

 

 

なんかもっと書くことないのかと言われたらごもっともなんですけどね。

 

hideって往年はソロもzilchもXも全部同時並行で進行させてたの、文字通り人の何百倍ものスピードで走ってたんだろうなあとか。自分も頑張らないとなとか。

 

 

 

──SUGI様ことSUGIZOのことはもちろん大好きなんだけど、彼の1stの『TRUTH?』は何回聴いても正直あまり好きじゃなくて。というか当時hideと意見のぶつかり合いばっかしてたというのがなんか分かるなあ、このアルバムから──ていう感じで(実際どこでケンカしてたのかは知らんけど)。


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そんな感覚と向き合うために彼のソロ初期作をしっかり聴くとか。

2ndの『C:LEAR』は全然最高でした。それもまたそれ独自の思うところあったけどもね。近年の作品が最高なのは言うに及ばず。

 

 

 

そんなこんな……えー……バンナムフェス楽しみだねってこと (笑)(実際なにするつもりなんだろうあの出演)

 

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INORANの『想』は「好きっていうかトリップ・ホップとかに惹かれるきっかけになったアルバム」くらいのポジションです。

 

 

 

 

 

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Say ハレルヤ!

 

現代モノ幻想譚としても素晴らしかった『アンネ・フランクと旅する日記』

 

 

アンネ・フランクと旅する日記』という映画を観てきました。

 

面白かったです。っていう言い方にもなっちゃうけども。

 

 

“いまは博物館となっている、アムステルダムのアンネの隠れ家。そこに展示された日記のなかからキティーが現れるという、ファンタジックなシーンから本作は始まる。キティーは、アンネの行方を探して、アムステルダムの街をさまよいながら、自分に宛てられた日記を少しずつ読み進めていく。本作は、隠れ家のアンネと街に飛び出すキティー、静と動、過去と現在、二つの物語が交互に進行していくこととなる。”


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「アンネのキャラクター的消費みたいなのだったら嫌だなあ」とも思いつつ、“空想の友人” であったキティーの方が描かれると見てどうなるのかなと思いながら。

 

良かったです。というか、やたら映像と音楽がよくてびっくりしました(笑)。シナリオも「実体化した幻想」モノの王道なり美味しいところをバッチリ踏んでて。特に音楽は出てすぐサントラないか探したな。

 

 

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アニメーションやテンポそれ自体も良かったんだけど、原典『アンネの日記』の、ナチス支配下の現実とメルヘンチックなファンタジーが文字通り殴り合っている独特の空気感がそのままこの映画にも持ち込まれている。

 

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右の黒い存在。不気味というか「人じゃない」感がすごい。下世話な例えだが、RPGで戦闘に入ったら即全滅させられるタイプの敵ギミックみたいな。いやまさにアンネらからはただただ恐怖の存在だったろうなと思わせられる。

 

 

音楽はバンドMGMTのBen GoldwasserとシンガーKAREN Oが制作。

 


MGMT - Me and Michael - YouTube

 

空気感が近いのはこの辺だろうか。見てるときはdropzみたいな曲だなと思ったり。

 

 

 

 

例えば教会という建物は、その宗教的教示は別にしてもひたすら人に「美しさ」や「浄化」をおぼえさせるもので完成されている。人を癒やし、償い、祝福、祈り、なんかとにかくポジティブな感覚に導く作用を、ガラスの光色や堂の大きさや作り上げた空気感でもたらしている。そういう意味で教会という施設は「あくまで人間が作った芸術品」だと思う。神なんか関係なく、教会のパワーって芸術のパワーだよなって。

「音楽や作品に社会的テーマ性をはかるのは是か非か」という話題の時にも、私はそういった教会の姿を思う。テーマ性を目指して創造されたというところまで含めて、芸術はあくまで芸術、趣向品は足しても引いてもやっぱり趣向品だ。

そしてやっぱり、私は趣向品に触れて感じたものを大事にして生きたいと思う。

 

 

 

 

 


MGMT - She Works Out Too Much - YouTube

MGMT、ちゃんと聴こう。

 


Karen O & Danger Mouse - TURN THE LIGHT - YouTube

KAREN Oの歌声はこちらから。なんかトレント・レズナーとも組んでたな。

 

HYDEの『SECRET LETTERS』もアンネの日記をテーマにした楽曲だとか。名曲だけどひたすらに物悲しい曲だし、今回の映画はそういうのでもないので、こちらの方を。


Hyde - White Song - YouTube

 


(((IEMN))) Dropz - A Snowflake Falling To The Ground (Black Savannah Remix) 2007 - Downtempo - YouTube

我らが星野英彦率いるdropz。このトラックが入ってるリミックス盤は初回盤特典でサブスクにも入れられてないので、是非『SWEET OBLIVION』は初回盤を。他のリミックスもいいんだよなあれ。

 

「(dropzは)2ndやらないのかなぁ? 作ればいいのに。ガツガツしてないねぇ(笑)」

by 今井寿

 

Playlist - 2022.3

 

零式13型「愛」

零式13型「愛」

 

 

最近流してるBUCK-TICKマイプレイリスト2組

一曲一曲綴ろうかと思ったが、まとまった時間もないし全部書くメンタルが持続できないのでやめた。

 

 

……

 

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・『零式13型「愛」』 「BUCK-TICKのゴシックナンバーでイチオシのものは?」と言われたら、自分からはこの曲を推す。重く暗く壮大でサイエンスフィクションな胎内大宇宙。「処刑台を上っていく」みたいな脳内イメージもあったり。No.0のはじまり。

・アイコノを持ってきたのは、驚異、破壊、無機質による無化、ひたすらな真実、とか。兵器的。

・『Moon さよならを教えて』 別れを示唆する歌なんだと思っている。あえて例えるなら『Long  Distance Call』の逆の立場、今生の別れを伝える母の想いだったり。

・サブスクや配信ダウンロードじゃコーラン逆再生は聴けないんだなあ ほしの

・アルバム『極東I LOVE YOU』における『Long Distance Call』→『極東より愛を込めて』の流れ、全BUCK-TICKアルバム曲順の中で最も熱い。心が壊れてく  誰かを傷つけにいく  止まらない 止まらない

・『Ash−ra』の歌詞の一部は「津山事件」(またはそれをモデルにした『八つ墓村』)をモチーフにしてるのかなあとか。勝手な推測だけど。「俺は生きる 阿修羅の森に 逃げて逃げまくるさ お前に逢うために あなただけを愛していた そして憎んでる 深く」。まさに殺シノ調べ。

 


BUCK-TICK - Guernica no Yoruゲルニカの夜 「Türkçe Alt Yazılı」 - YouTube


BUCK TICK 極東より愛を込めて - YouTube

 

・自作リストで『JUPITER』&『さくら』をラストに持ってきたのは初めてじゃないかと思う。多分、ひたすら悲しい哀悼の時間だから。「ここで終わりじゃないよ」という意味合いも持たせてたり。

 

 

 

 

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・『Loop』を持ってきたのは……気が沈むこともあるので(笑)  それに尽きる。半インスト枠だけど、毎回ベストに入れてくれてもいいというくらいにはお気に入りのトラック。

・『月世界』 櫻井さんが急性腹膜炎で入院していた時に見た情景を書いたとかなんとか。誰かの苦しみや混迷もアンビエントが包み込む。

・2組目のプレイリストはより “個人” らしさ、人の色がするものでまとめたいなと思って。『LOVE ME』はそこにおけるメインテーマみたいな感覚。人間み、出来たての傷口、誰かの一生、そんなイメージ。

・『RAZZLE DAZZLE』と言えば『BOLERO』。なんか、あのアルバムを一曲で象徴してるものといえば、みたいな。隠れきれていない名曲。

・『凍える』 本当良い曲だなあ(シンプル)。曲、音、詩、どれをとってもBUCK-TICKだなー!ってカンジ。

 

・アルバム『TABOO』のラストに聴く『JUST ONE MORE KISS』は、死亡エンドもののラストに流れるメインテーマのような趣がある(なのであそこに入れて正解だったと断固言い張っている)。BUCK-TICKはこの時既に愛と死のバンドに向かっていっていた。年季が入った近年こそ曲世界に奏者が追いついたという感触もある最初期代表曲。

・『愛の葬列』 最初は1組目側かな? と思ったがやっぱこっちだなってなった。愛の葬列なので。

・『愛の葬列』→『忘却』の流れ……めっちゃええな。

・もはやアンセムのような立ち位置の『鼓動』


BUCK-TICK / 「鼓動」ミュージックビデオ - YouTube

改めてだが、不仲や早期解散がある種の正義のようですらあった時代にこのMV。もうこの頃からBUCK-TICKは無敵で一生涯のバンドになってたんじゃないかなあとか。いや大激動のバンド状況を惡の華〜狂った太陽で乗り越えた時からずっと。

・「ある日蝶蝶になって  ある日海をゆく ある日君と出会って  ある日愛を知る」「ある日魚になって  ある日空をゆく ある日夢が終って  ある日目を閉じる」 「小さな小さな君は  やがて空になり 大きな大きな愛で  僕を包むよ」

・『MISS TAKE』……10年前かー。『エリーゼのために』で世に溢れていた応援ソングを一蹴した今井さんがその次に出したテーゼ。何にもないこんな世界で 飛んでゆく 飛んでゆく。

・震災の後ずっと『ANGELIC CONVERSATION』を聴いてたというお話。強さの象徴というか、「瓦礫と翼」ってカンジというか。やっぱりこの曲なんだなあ。


Buck Tick ANGELIC CONVERSATION PV - YouTube

 

 

 

 

 

 

「僕は戦争反対ということをまず当たり前のように言いたいんです。」とは櫻井さんの言葉。それ以上に言葉の意味を語ってはいないけれど。

最近読んだ、『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著 三浦みどり訳)という本にあった一文。

 

「人間は戦争の大きさを超えている。人間のスケールが戦争を越えてしまう」

「そこでは歴史を越えたもっと強いものが支配している。わたしは視野を広げて、戦争という事実だけではなく、人が生きるとは、死ぬとはどういうことなのか、その真実を書かねばならない。」

 

櫻井さんの上の言葉と、『ゲルニカの夜』を思い出した。

人はあくまで個である。

 

 

FLAME

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